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中小企業診断士は、確定申告を自分でやりなさい!~確定申告のやり方と準備しておくこと~

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今年も確定申告のシーズンになりました。

私は、中小企業診断士資格を活用して経営コンサルタント業を営む、個人事業主です。

先日、独立開業して10回目の確定申告を終えました。

確定申告の手続きは、色々調べながら今まですべて自分でやってきました。

毎年、E-tax(イータックス)の送信ボタンを押すとホッとします。

今日は中小企業診断士と確定申告について、お話ししたいと思います。

確定申告 私のやり方

お話ししたように、E-tax(イータックス)を使い申告しているので、税務署に行くことはありません。

会計ソフトは、「やよいの青色申告」を開業してから10年間使っています。

開業したとき電器店で見つけて、そのまま使い勝手がいいので、使い続けています。

最近は、freee(フリー)とか、マネーフォワードを使っている人も多いのでしょうね。

最初は一つ一つ仕訳を手入力していたのですが、途中から自動入力に変更しました。

とても楽です。

入出金は、ほぼすべて預金口座を通しています。経費は、法人クレジットカード(個人事業主版)で支払。現金払いの経費は、スマホでレシートをスキャン(やよいのレシートアプリ)。

預金口座インターネットバンキング、法人クレジット履歴、レシートアプリ、すべて自動で「やよいの青色申告」に取り込みが可能です。

資産、負債、売上、経費の仕訳も自動仕分けですので、後は仕訳を自分で精査するだけ(ただし時々勘定科目の相違があるので、自分の目での精査は必要)。

1か月に一度など、定期的に仕訳情報を取り込み、試算表を作っておけば、決算終了後に決算仕訳、決算処理がスムーズです。

社会保険料や扶養控除などの控除項目や、売上・家賃・減価償却費など内訳の入力をすれば、決算書(青色申告決算書)と所得税申告書の作成が完了。

出来た決算書をベースに、一般税率や軽減税率の区別など簡単な操作で、やよいの会計ソフトが消費税の申告書を作成してくれます(操作方法が分からなければ、やよい会計の電話サポートで、丁寧に対応してくれます)。

「やよいの青色申告(所得税、消費税)」のデータを、E-tax(イータックス)版に取り込み、マイナンバーカードとカードリーダーをセットし、税務署への送信ボタンを押します。

後日指定した預金口座から、申告した税金が引き落とされます。

簡単に説明すると、確定申告はこんな流れになります。

 

自分で確定申告をすることで得られること

他の人に聞いて回ったわけではありませんが、中小企業診断士でも確定申告書作成を税理士に依頼するケースがあるかもしれません。

他人に任せることは任せて、自分は本業のコンサル業務に集中したい。そう考えての判断かもしれません。

私が10回確定申告をして思うのは、自分で確定申告の作業をすることが、コンサル業務のプラスになるということです。

まず大きいプラス面は、簿記の仕訳の仕組みが、座学ではなく、実務で自分自身に腹落ちすること。

これは本当に自分でやってみないと分かりません。

売上はこうやって仕訳するのか、経費はこうやって仕訳するのか、そしてその結果として決算書ができあがるのか、、、

例えば、売上でも、未入金のときは、売掛金と売上で仕訳しておいて、入金になったら、売掛金を減らして預金を増やす。

例えば、経費支払はクレジットを切ったとき未払金で負債計上し経費で落としておいて、クレジット引き落とし日に未払金が減り預金も減る。

分からない仕訳があると、その都度調べます。すべて自分の血肉になります。

確定申告を自分でするとは、決算書を自分で作ることです。

これが分かるか分からないかで、コンサル支援先の財務診断に入った時の精度が、全く変わってきます。

中小企業診断士は場合によっては、支援先はもちろん、融資先の銀行や顧問税理士と渡り合う必要が出てきます。その時に、決算仕訳の知識があるかないかで、支援の質は全く変わってきます。決算書の仕組みが分かっていないと、数字に弱いコンサルとなり、信頼を得ることが難しくなります。

もう一つのプラス面は、自分で確定申告書を作成することで、コンサルタントという事業に対して、計数意識をもつことです。

売上と経費との関係は、損益分岐点は、売上シェアは、など。

他人に決算書を作ってもらっていると、何か人ごとのように感じてしまいます。

そして、自分で確定申告をすると、税金に関しての興味が高くなります。自分ごとなので、税制改正など税務面での動きに敏感になります。

もちろん、税理士法により、他人の税務相談に乗ったり、申告手続き(自分自身の分はできます)に関わることはできません。しかし、再生事業計画や経営改善計画を作る際のタックスプラン(将来見通し)は中小企業診断士が作成するため、税務面での知識は必須となります。

 

法人か、個人事業主か

コンサル事業を始めるにあたり、法人で始めるべきか、個人事業主とするべきか、組織形態に悩むかもしれません。

私の場合は、10年間個人事業主形態です。

組織形態は、自分の事業のやり方によって選択が変わってきます。

法人形態のメリットは、対外的な信用力向上や、法個人の分離などがあります。

行政のプロポーザル(競争入札)に手を挙げたい時や、金融機関から融資を受けたい時は、対外的な信用力に勝る法人形態が有利でしょう。事業を大きくしたいなら、人材採用で有利にもなります。

一方、赤字になりやすいことは、デメリットでしょう。

法人化すると、自身の生活費を役員報酬という形で取ります。

特に、開業間もなく経営が安定しないときに役員報酬を設定すると、売上はあがらないのに、役員報酬だけは確実に定額発生する、つまり赤字経営になる可能性が高くなります。

法人化は、ある程度事業が軌道に乗ってから検討するのでいいのでは、と個人的には思います。

私は10年間個人事業主でやっていますが、外部との専門家契約、顧問契約、行政とのアドバイザー契約、経営革新等支援機関の認定など、個人名義で可能なため、特に不便は感じません。

個人事業主の場合は、確定申告にあたり、源泉徴収、国民健康保険、国民年金、所得税、個人事業税、市県民税、消費税、生命保険控除、扶養控除、住宅ローン減税、などの知識が必要になりますが、もともと診断士試験をパスするぐらいの財務知識はあるのですから、自分でやっていればそのうち分かってきます。心配することはないでしょう。

逆に、自分でやらなければ、いつまでも誰かに頼った状態になるため、いつまでたっても仕組みを理解することはできません。

コンサルタントとして支援先中小企業に経営支援や財務診断を行いながら、自身の確定申告についてはよく理解していないという、不思議で残念な状態になります。

 

確定申告にあたり用意しておくこと

とはいえ、いきなり確定申告というと、苦労も多くなりますので、以下は準備しておくと良いでしょう。

①預金口座

事業に関する入出金は、出来る限り預金口座を通します。自分で確定申告するために、インターネットバンキング契約は必須です。前述したようにインターネットバンキングを契約しておけば、会計ソフトに口座移動データを取り込めます。

②法人(または個人事業主版)クレジットカード

事業とプライベートのクレジットカードを一緒にしておくと、ごちゃごちゃになり、仕訳処理の時に苦労します。開業したら個人事業主版のクレジットカードを作りましょう。クレジット履歴と会計ソフトが連携できるようにしておけば、自動入力が可能となり、便利です。

③マイナンバーカード

確定申告はE-tax(イータックス)でやりましょう。そのためにはマイナンバーカードと、ICカードリーダーが必要です。準備しておきましょう。

④会計ソフト

私が使っている「やよいの青色申告」やfreee(フリー)、マネーフォワードなどが有名です。自分の予算や方針に合わせて選定しましょう。ちなみに私の場合、会計ソフト使用料年間13,200円です。

操作方法で分からないことがあれば、チャットや電話相談で何回でも教えてくれます。

⑤シェアオフィス

これは確定申告とは関係ありませんが、契約しておくと良いでしょう。なぜなら自宅事務所の場合、名刺やホームページに自宅の住所を掲載することになるからです。個人情報保護、セキュリティのことを考えても好ましくありません。また性格的なものもありますが、私などは自宅だとプライベートとの線引きが難しくなります。安く契約できるプランもあるため、検討してみてはいかがでしょうか。

 

事務を甘く見ると事業は安定しない

私は、銀行員時代営業一筋だったので、事務作業を甘く見ることがありました。銀行では「事務は経営の基本である」と教えられましたが、その時はピンと来ていませんでした。

今はその意味が分かるようになりました。

コンサルタントとして中小企業を見ていると、事務をおろそかにしている会社は、特に会社が苦境に陥った時に脆(もろ)い部分があります。

試算表を定期的に作成できていない、使途不明金がある、資金繰りが把握できていない、決算書数値を経営者が理解していない、、、

こうした会社は経営リスクが大きくなります。

中小企業診断士は、中小企業に経営診断や助言をすることを生業としています。

その診断助言能力(特に財務面)を上げる一つの方法は、「自分自身で工夫しながら自分の事業の確定申告書を作ること」だと私は考えるのです。

 

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