銀行員として17年、コンサルとして8年 合計25年、中小企業経営者と付き合ってきました。
その経験の中で感じるのは、経営判断としての「やめることの難しさ」です。
やり始めることも労力を必要とします。
この場合は、希望がありますから、楽しい労力です。
しかし、やめることは、失望の中での判断になります。 だから、やるべく見ないようにして、後回しにされることが多いのです。
経営において「やめる」という判断。
一番大きなことは、「事業をやめる」ということでしょう。
今までいろいろな例を見てきましたが、経営者自身が決断したというよりは、「外部的な圧力でやむを得ず」ということが多かったです。
・資金繰りが回らなくなり、仕入れがストップする、
・手形が落とせなくなり、銀行口座が凍結される
・銀行融資が拒絶され、従業員の給与が払えなくなる、
・銀行から口座や不動産を差し押さえされる、
経営者はここまで引っ張ってしまうのです。決断が遅れることで、周りに迷惑をかけ、自分自身も疲弊してしまいます。
最悪の結果にならないためには、それまでに至る経緯で「早め、早めに決断すること」です。
ポイントは、「余力があるうちに撤退すること」。
傷が浅く済み、事業継続が可能になります。
・不採算事業から撤退する
・不採算店を閉める、
・不採算取引先の取引量を減らす、
・利幅の薄い商品の取り扱いを減らす、
・無駄なコストをカットする、
・役員報酬を含む人件費を減らす、
撤退の判断は、漠然と考えているだけでは無理です。 客観的に数字で判断します。
自分では冷静な判断ができないなら、経験豊富な第三者に相談して、数値化したり、言語化してみる事も必要でしょう。
事業をやめるにおいて、決断が遅れること、、、一番の敵は経営者自身(自分)です。
・今まで時間もコストもかけてきたのに、今さらやめられない、
・やめることで、周りから「失敗したのでは、」と噂されそう、
・仲間内や地域の目があって恥ずかしい、
・自分の判断が間違っていたことを認めたくない、
様々な気持ちが浮かび、経営判断を遅らせるからです。
【関連記事】
経営者の意思決定は、なぜ遅れるのか?~5つの傾向とその対策~
経営に失敗はつきものです。誰でも失敗します(私も時々やります)。
失敗しないということは、挑戦していないということで、それはそれで問題です。
大切なのは、
・素早く判断すること、
・間違ったら認めて、一度撤退して、体制を整えること、
そのためには、
・始めるときに撤退の基準を決めていくこと、 (いつまで赤字が続いたらやめる、資金投入はいくらまで、など)
・もう一人、別の自分が、自分をみるような客観的な視点を持つこと(なかなか難しいですが)、
・経験豊富で、客観的に助言をしてくれる人に相談すること、
などが必要かもしれませんね。
「やめる」という判断は難しく嫌なことです、
しかし、その判断を迅速にすることが、事業継続を可能にする、のではないでしょうか。
【この記事書いたのは、こんな人】→プロフィール
【過去の企業支援実績はこちら】企業支援実績
【お手伝いの際の考え方】【代表挨拶】お手伝いの際の考え方
【この記事の問題を解決するための手段はこちら】経営診断
【関連記事】
2期連続の営業利益赤字になった。経営者は今すぐ何をすべきか。
経営支援(どの事業から撤退するか、どのように財務改善するかなど)に関するご相談・お問い合わせは、こちらからどうぞ。(24時間コメント受付、ただし返答は翌営業日以降になることがあります。暗号化対応をしているため、メッセージやメールアドレスが外部に漏れることはありません)。☟