プロコンは、得意業種に絞れば専門性が高まり、差別化が図れる、と言われます。
医療とか、建設業とか、飲食業とか、支援業種を一つに絞り込み、業界知識と支援実績を深める方法です。
私も診断士試験合格後の実務補修で講師の先生から教わり、そういうものかと思っていました。
10年が経過し、業種を絞っているかと問われると、「絞っていません」ということになります。
なぜなら、地方で業種を特化すると、ほとんどの仕事を断ることになり、受注機会を逃すからです。
地方では、都会と比較して企業数や案件自体の数が少なく、企業にもコンサルティングを受けるという、文化が根付いていません。
そのため業種を絞ってしまうと、プロコン事業が成り立たないのです。
また、業種を絞り込むと、その業種のプロとして、日本全国を飛び回る必要が出てきます。今のところ地域密着を中心に活動している私の事業方針にも合わなくなります。
ということで、あらゆる業種に対して支援に取り組んでいます。
支援開始前に、支援先企業、金融機関、支援機関から必ず「○○業の支援経験はありますか?」と聞かれるのですが、「初めてです」と答えることも少なくありません。
「業界は初めてですが、様々な業種の支援経験があり、多面的な角度から助言できると思います」
「業界については社長がプロなので、教えていただくことも多いと思いますが、財務・経営支援についてはこちらがプロなので、違う視点の提供が可能だと思います」
などど、答えます。
業界が初めてということで、契約につながらないこともありますし、よろしくお願いします、と契約につながること、どちらもあります。
業種は絞れないとはいえ、支援内容は絞ります。
例えば、工場の中に入り、生産管理を見てほしいと言われても、得意分野でないので、お受けできません。情報システム化やEC化支援を依頼されても、残念ながらお力になれません。出来るのは、その分野に強い専門家に取り次ぐ程度です。
得意にしているのは、事業計画策定(再生系、創業系、新事業進出系)、資金調達支援、財務強化支援(資金繰り管理、採算管理体制構築)、事業承継支援、などです。BCP作成支援も可能です。
この分野はいずれも数値的な知識が必要となるため、経営者は苦手とする場合があります。支援ニーズは結構あるのです。
セミナー講師は、最初の5年ぐらいは結構やりました。
年間10本~20本ぐらいでしょうか。
自主企画も積極的にやりましたし、依頼されて登壇したケースもあります。
自主企画セミナーでは、DMを何百先と出して、その結果、申し込みのfaxが来た時の嬉しさは、大きいものがありました。
セミナーは準備が大変です。講演時間が2時間だとすれば、10倍の20時間かけて準備しました。
セミナーで話すことが目的ではなく、その後のコンサル受注が大切です。コンサル受注につながらないと、投下した時間とコストが回収できません。
開業当初はがむしゃらで、自主企画セミナーも2年ぐらいかけて3~4回やりましたが、費用対効果が得られず、思うように集客できないなどが続き、今はやっていません。失敗ですが良い経験になりました。
講演を依頼される登壇型セミナーも、積極的に受けることは減りました。若くて熱意溢れるフレッシュな講師はあとからあとから、次々出てきます。講師の変わりはいくらでもいますし、そもそもコロナ禍でセミナー開催自体も激減しました。
依頼があれば受けるかもしれませんが、以前の様なテンションで話すことは難しくなってきました。
個別コンサルティング中心の活動を続けることになりそうです。
次回は、「信用という名の財産」についてお話しします。
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