「銀行から経営改善計画書の提出を求められたが、何を準備すればよいのか分からない」
「決算書だけで作れるのか。資金繰表や借入金の資料も必要なのだろうか」
経営改善計画書は、会社の現状と窮境原因を分析し、改善策、数値計画、資金繰り、金融支援の依頼内容をまとめるものです。説得力のある計画を作るには、決算書だけでなく、売上・原価・借入・資産・資金繰りの実態を確認できる資料が必要です。
最初に結論をお伝えします。経営改善計画書の準備は、①決算・税務、②試算表・資金繰り、③借入・金融機関、④資産・負債の実態、⑤売上・原価・事業構造、⑥組織・改善行動の6分野に分けると抜け漏れを防げます。
最初からすべての資料を完璧にそろえる必要はありません。まず「優先度A」の資料を準備し、分析で確認事項が見つかった段階で「優先度B・C」を追加します。資料が存在しない場合は、推測で数字を埋めず、作成可能な資料から管理体制を立て直します。
この記事では、「経営改善計画書 必要書類」「経営改善計画書 準備書類」を調べている経営者に向けて、準備する資料、資料を使う目的、資料が不足する場合の対応を元銀行員・認定支援機関の実務視点から解説します。
405事業について確認したい方
経営改善計画書の目的は、銀行へ都合のよい将来予測を見せることではありません。会社がなぜ赤字や資金不足に陥ったのか、どの改善策を実行すれば、いつ利益とキャッシュフローを回復できるのかを説明することです。
金融機関は、計画に記載された売上・利益・返済額が、過去実績と現在の経営資源に照らして実現可能かを確認します。このため、計画の数字と準備資料がつながっていなければなりません。
必要書類は、会社の規模、業種、窮境原因、金融支援の内容によって異なります。最初の打ち合わせでは、次の優先順位で準備すると効率的です。
最初の分析では、直近3期程度の決算書・申告書一式を準備するのが基本です。ただし、業績悪化が長期間続いている、過去の大型投資が現在の借入負担につながっている、事業構造が大きく変わったなどの場合は、5期以上の推移を確認することがあります。
すべての会社に「過去10年分」が必須というわけではありません。まず直近3期と最新試算表で現在地を把握し、窮境原因を確認するために必要な期間を追加します。
決算書は、貸借対照表と損益計算書だけでは不十分です。勘定科目内訳明細書、製造原価報告書、販管費明細、税務別表なども合わせて準備すると、資産内容、原価構造、税務上の処理まで確認できます。
月次試算表、資金繰表、部門別損益などが整備されていない会社もあります。その場合、存在しない過去資料を無理に作ったり、推測で数字を埋めたりしてはいけません。
まず、決算書、預金通帳、借入返済予定表、請求書、売上台帳、給与台帳など、確認可能な資料を集めます。決算書と実際の残高が合わない場合は、差異の原因を特定し、実態を反映した財務内容へ修正します。
過去の月次資料がなければ、直近月から試算表と資金繰表を継続して作成します。商品別利益が分からなければ、主要商品や主要取引先から採算を確認します。資料不足は計画策定の妨げですが、同時に、改善すべき管理体制が明らかになったということでもあります。
確認できない数値は断定せず、計画上の前提条件と確認方法を記載します。金融機関が問題視するのは、不明点が存在することだけではなく、不明点を隠したり、根拠のない数字を確定値として示したりすることです。
「売上が減った」「物価が上がった」だけでは不十分です。どの商品、顧客、店舗、費用、投資判断が、利益と資金繰りへどの程度影響したのかを資料で説明します。
改善策には、担当者、期限、実施内容、数値効果が必要です。新規顧客の獲得など不確実な施策だけでなく、価格、原価、固定費、在庫、回収条件など会社が管理できる施策を組み合わせます。
売上、粗利率、人件費、設備投資、税金、借入返済などが相互に整合しているかを確認します。損益が黒字でも、売掛金や在庫が増えれば資金不足になるため、資金繰りとキャッシュフローの検証が欠かせません。
返済条件の変更を受ける場合は、いつ利益と返済能力を回復し、どのように金融取引を正常化するのかを示します。405事業の通常枠における数値基準は、【2026年5月最新】405事業の改定。重点ポイントを実務者が徹底解説!再生支援出口と伴走支援の強化へをご確認ください。
専門家が作成した計画でも、経営者が数字や改善策を説明できなければ、実行可能性を疑われます。経営者自身が計画策定に参加し、社内の実行責任者と進捗確認方法を決める必要があります。
405事業を利用する場合、経営改善計画書の準備は、制度の利用申請後に始めればよいわけではありません。最初にメインバンクへ相談し、銀行が405事業を使った経営改善計画と金融支援を検討できるか確認します。その方向性を確認した後に、代表認定支援機関と支援範囲・費用・必要資料を整理します。
利用申請から計画策定、金融機関の同意、費用の支払申請、伴走支援までの順序は、【405事業の流れ】事前相談・利用申請・計画策定・銀行同意・伴走支援まで解説で詳しく解説しています。
銀行から経営改善計画書の提出や405事業の利用を提案された場合は、提出期限だけでなく、銀行が懸念している点、期待する改善内容、検討可能な金融支援を確認してください。詳しくは、銀行から405事業を提案されたら?確認すべき5項目と次に行う準備をご確認ください。
「AI経営参謀」で、メインバンクへ相談する前の資料整理ができます
中小企業の経営者ご本人が、自社資料を使って財務上の課題や不足資料を整理するためにご利用ください。
最低限準備する資料
資金繰表がある場合は、併せて添付してください。資料が不足している場合、AIは不足資料を指摘しますが、不明な数値を推測して確定することはできません。
質問例:
「添付した当社の直近2期分の決算書一式、最新試算表、借入金一覧・返済予定表、資金繰表を基に、経営改善計画書を準備する前に確認すべき事項を整理してください。①財務上の課題、②銀行から確認されやすい点、③追加で必要な資料、④今後作成したい管理資料に分け、不明な点は不明と明記してください。405事業の利用可否、事業継続可能性、金融機関の同意や金融支援の可否は断定しないでください。」
※自社資料を使う経営者向けの一般的な整理です。AIの回答は、405事業の利用可否、事業継続可能性、金融機関の同意・金融支援を確定するものではありません。第三者企業の資料分析、経営改善計画書の完成、認定支援機関等の専門家業務の代行を目的とした利用には対応していません。
経営改善計画書の準備では、決算・税務、試算表・資金繰り、借入・金融機関、資産・負債、売上・原価、組織・改善行動の6分野に分けて資料を集めます。
資料の量を増やすことが目的ではありません。計画に記載する現状、窮境原因、改善策、数値目標、返済見通しを、客観的な資料で説明できる状態にすることが目的です。
まず直近3期程度の決算書一式、最新試算表、借入金一覧、資金繰表、会社概要を準備し、分析結果に応じて追加資料をそろえてください。資料がない場合は、その事実を隠さず、今後継続して作成できる管理体制を計画へ組み込みます。
※必要書類と対象期間は、会社の規模、業種、窮境原因、金融支援の内容によって異なります。事業者の方は、まずメインバンクへご確認ください。
経営改善計画書や405事業を検討している経営者の方へ
事業者様からの一般的な制度相談や、金融機関との事前協議がない状態での直接申込みは、原則として対象としていません。まず、メインバンクへ「経営改善計画書として何を求めているか」「405事業を活用した計画策定を検討できるか」とご相談ください。
すでに金融機関から経営改善計画書の策定や405事業を提案・紹介されている場合は、紹介元の金融機関ご担当者を通じて当事務所へご連絡ください。