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不採算部門からの撤退、どう判断する??

不採算部門とは赤字部門のこと

会社が色々な事業を行っています。多角化経営と言います。

例えば、食品製造業をしながら、自社の商品を販売する小売部門や飲食店をもっている、などのケースが当てはまります。

各部門ごとに採算を把握しているとします。

部門ごとの採算で、黒字の部門、赤字の部門があります。

黒字の部門を採算部門、赤字の部門を不採算部門と言います。

 

不採算部門の見つけ方は部門別採算管理から

不採算部門を見つけるためには、「部門ごとの採算管理がされていること」が必要です。

部門ごとの売上に対して、仕入、人件費、外注費、その他経費が紐づけされ、収支が継続的に把握できている状態を、「部門別採算管理」ができていると言います。

エクセルシートなどを用いて、採算管理表を作成します。

部門別採算管理ができていると、「時系列で見て各部門ごとの収支がどう推移しているか」、が分かります。

採算管理表を見て赤字が続いている部門が、不採算部門です。

採算管理体制を整えるためには、経営者が「採算管理体制を構築する」という意識を持つことがスタートです。

あとは、社内で経費の紐づけ方法をルール化し、継続的に集計していきます。

 

業績改善のお手伝い、まずは現状分析から

愛媛県内の中小企業の情勢は、業界大手の進出→競合激化、顧客のネット通販志向の高まり、地域人口減・少子高齢化による購買意欲の低下、などから厳しい状況が続いています。

当事務所は、業績改善のお手伝いが業務の大部分を占めています。本業改善支援に、得意分野の金融支援を組み合わせていきます。金融支援だけでは企業は立ち直らないからです。

業績改善のお手伝いに入った場合、まず行うのは「現状分析」です。

10年振り返ると、赤字原因が見えてくる

経営改善支援に入ると、

企業の現在に至った歴史背景、企業体制、業務の流れ、業界の動向、会社強み・弱みなど数値以外の部分、定性面をまず分析します。

その後、数値を確認していきます。

業績自体は過去10か年を遡り、どの時期に何があり、どのような原因で、その実績(黒字・赤字・借入)に至ったのか、決算書の内容を分析していきます。

経営者は忙しいため、目の前の売上獲得、人員管理、資金繰りなどに忙殺されており、中々過去を顧みる時間がありません。

ですから、こうした機会に、一緒に会社の歴史を振り返ります。そうすると、経営者の思考の癖や、意思決定の傾向などが見えてきます。

 

売上と原価の分解で、各部門の粗利(あらり)をつかむ

その後していくのは、売上と原価の分解です。

売上であれば、取引先別、店舗別、事業部門別、商品別など、その会社の意思決定にとって重要な分け方で、確認していきます。

原価も同じです。取引先別、店舗別、事業部門別、商品別、の原価を把握します。売上と原価が分かれば、取引先別・店舗別・部門別・商品別で、粗利(売上-原価=粗利)が分かります。

この作業をすることで、どの取引先から利益が取れているのか、逆にどの取引先が赤字になっているのかが、浮かび上がってきます。

商品別も同じです。どの商品で儲けているのか、どの商品は赤字なのか、、、。

不採算部門を把握する

数値を見ると、改善点が見えてくる

数値として見てみると、アンマッチが起こっていることに気づきます。

例えば、赤字の取引先により多くの労力を取られていたり、儲けていない商品の仕入れを増やしていたり、赤字の店舗をいつまでも継続していたり。

赤字の取引先には、価格交渉をしないといけないかもしれませんし、儲けの少ない商品は、取り扱いを減らす必要があるかもしれません、赤字の店舗は、閉鎖が必要かもしれません、、、。

数値として把握すると、出てきた数値を経営判断に役立てることができます。

値上げ計算については以下の記事が詳しいです。参考にしてください。

【参考記事】【値上げ根拠計算シート付】値上げのタイミング ~値上げの考え方と根拠~

 

そして、このままこの不採算部門を継続すると、この後も毎年1,000万円の赤字を垂れ流してしまう、、など。現実感が出てきます。

今まで多額の投資をしたり、時間や人員を投入したりしていると、経営者は悪いことは見ないようにしよう、と現実から目を背けてしまうことがあります。数値の把握が曖昧なら、当面はやり過ごすことが可能かもしれません。そのため、撤退の判断が遅れるのです。

 

現実数値を直視することで、経営判断する

現実数値を見ることで、今まで決断できなかった不採算部門や不採算店舗の撤退に対して、踏ん切りがつきます。

大切なのは、経営者自身で気づくことです。銀行やコンサルタントなどの他人から強く言われると、抵抗感があります。逆に何としても続けてやると、意地になるかもしれません。

我々コンサルタントは、経営者の気づきをお手伝いします。判断材料を提供して、「この状態が続けば、どんどんキャッシュが流出しますよね、」と数値でお示しして、助言します。でも最終判断するのは、経営者です。

大切なのは、できるだけ迅速に判断することです。判断が早ければ、傷も浅くて済みます。傷が浅ければ、立て直しが可能です。

だから、日頃から数値を確認して、迅速で正確な意思決定を行うことは、大切なのです。

 

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