Microsoft Clarity(クラリティ)は、Webサイトで訪問者がどこを操作し、どこで先へ進めなくなっているかを調べる無料の行動分析ツールです。まずサービス案内と問い合わせページを確認し、説明不足や操作の不具合を一つずつ改善することに使います。
AI関連の指標も、訪問者の行動と実際の問い合わせを合わせて見ることで、販促の判断材料になります。この記事では、経営者が最初に見る場所と、担当者へ依頼する改善の考え方を整理します。
情報基準日:2026年9月11日
アクセスが減る理由は、検索での表示機会、広告、季節性、計測の不具合など複数あります。AIの普及だけが原因だと決めつけず、Search Consoleの表示回数・クリック数や、計測設定の変更履歴も確認してください。
Clarityで見たいのは、訪れた人が「自社に合うサービスだと分かる → 相談条件を確認する → 問い合わせる」という流れを進めるかです。見込み客が途中で止まっているなら、集客費用を増やす前に直せることがあります。
問い合わせ率が上がっても、問い合わせ数が増えたとは限りません。
説明用の例では、1,000訪問で10件なら1%、500訪問で10件なら2%です。割合は2倍でも件数は同じです。問い合わせ率に加え、商談に進んだ件数や受注内容まで追って判断します。
ヒートマップは、クリックの集まり方やスクロールの到達位置を見る機能です。レコーディングは、ページの表示情報と操作記録から、閲覧の流れを再現します。詳しくはMicrosoft公式のヒートマップとレコーディングの説明を参照してください。
調べるページ・期間をそろえ、スマートフォンとPCを分けて見ます。一人の操作だけで結論を出さず、複数の記録で同じ動きがないか確認します。
見ること:サービスの対象者、事例、相談の流れを載せた位置まで、どの程度スクロールされているか。
改善の例:大切な説明まで届いていないなら、対象者と得られる支援を冒頭で短く示し、詳しい案内へつなげます。
その位置まで表示されたことと、内容を理解したことは別です。スクロールや滞在時間から、顧客の感情や購買意欲まで断定しないようにします。
見ること:リンクではない写真を押す、ボタンを何度も押すなど、操作が行き止まりになっていないか。
改善の例:リンク先を明確にし、「詳しくはこちら」を「対応できる相談内容を見る」など、次に分かることが伝わる文言へ変えます。
繰り返しクリックには別の理由もあります。担当者が同じ端末条件で操作し、リンク切れや反応の遅れを確かめてから修正します。
見ること:フォームへ到達しても先へ進めない、入力エラーを繰り返す、送信ボタンが押しにくいといった動き。
改善の例:必須項目を見直し、入力条件とエラー箇所を分かりやすくします。テスト送信で、完了表示と事務所側へのメール到着も確認します。
ボタンを押した記録だけでは、問い合わせの受付完了とは数えません。Clarityの記録とフォームの受信結果を合わせて確認します。
Clarityには、AIに関する状況を見る「AI Visibility(AIの可視性)」があります。経営判断では、次の違いを押さえておくと、数字を成果へ結びつけやすくなります。
Bot Activityは、連携したサーバー側の記録から、ボットによるページ等へのアクセス要求を確認する機能です。訪問記録だけで、学習・引用・推薦が行われたとは判断できません。この点はMicrosoftの公式説明でも区別されています。
不審なアクセスや、検索・AIサービスの接続状況を詳しく調べたい方へ
サーバーログのAI分析で何が分かる?中小企業の不審アクセス・AI巡回の確認方法
ログから確認する事項と、管理担当者への依頼内容を整理しています。
Citationsでは、対応するAIサービスでの引用ページや関連クエリなどを確認できます。「Share of authority」は、自社が現れた対象クエリ群での引用を、ほかのドメインと比較する割合です。全AI・全検索での市場シェアや、専門家としての総合評価ではありません。
表示されるクエリは、回答を作るためにAIが情報を探す際のもので、利用者が入力した質問そのものとは限りません。対象範囲と指標の定義は、Citationsの公式説明で確認できます。
AIから来たと識別できるセッションを絞り込み、サービス案内や問い合わせへ進んでいるかを見ます。Clarityには、ボットの取得要求と紹介による来訪を比較し、該当する操作記録へ進むScrape-to-Referralの機能もあります。比較時は集計期間と対象ドメインをそろえます。
当事務所でも、自社の財務専門記事について、引用状況と訪問者の行動を確認してきました。重視するのは、数字の大きさに加え、どの専門性が見つけてもらえ、相談につながる案内になっているかです。
例えば、事例紹介は見られているのにサービス案内へ進んでいないとします。考えられるのは「自社も相談できるのか分からない」という説明不足です。ただし、これは改善を試すための仮説です。
来訪が少ないサイトでは、短期間の数件だけで成功・失敗を決めません。問い合わせで実際に聞かれたことや営業担当者の声も加え、改善を続けます。
WordPressでは、公式Clarityプラグインなどで導入できます。まず既存の設置状況を確認し、タグを重複させず、自社のプロジェクトへ接続します。通常の閲覧計測に加え、Bot Activityを使うための対応プラグインや連携条件も確認してください。
導入後は自社でテスト閲覧し、記録されるかを確認します。問い合わせ内容やAIチャットの相談文など、残すべきでない情報については、マスキング設定と記録結果を点検してください。閲覧権限や必要な同意設定も担当者と整理します。
画面右下の「AI経営参謀に聞く(無料)」を開き、次の[ ]を自社の状況に置き換えて送信してください。
用意する情報:自社サイトの目的、困っていること、分かる範囲の集計結果。添付は不要です。他社・顧客の資料、個人情報、ログイン情報は入力しないでください。
当社は[業種]で、サイトの目的は[問い合わせ・販売等]です。現在の課題は[具体的な困りごと]です。
確認した事実は[ページ・期間・端末・集計結果、または未確認]です。改善を担当するのは[社内担当者・制作会社]です。
事実と仮説を分け、最初に直す候補を3つ以内で整理してください。担当者への確認質問と、変更後の効果を確かめる方法も示してください。不明な数値や顧客心理、集客効果は推測で断定しないでください。
AIは改善案と確認事項の整理を補助します。管理画面を自動で調べたり、原因や売上増加を確定したりするものではありません。実際の設定・操作・受信結果は担当者と確認します。AI経営参謀の使い方と相談例を見る
銀行員として17年、経営コンサルタントとして15年の実務と、自社サイトでのClarity・AI活用の経験から、私は「数字を確認し、優先順位を決め、実行した結果を確かめる」ことを重視しています。
Webサイトでも、誰に何を提供し、どの相談を受けたいのかを決めるのは経営者です。分析や制作を担当者へ任せる場合も、改善の目的と判断基準を共有することが大切です。
自社サイトを、問い合わせにつながる営業の場へ育てたい方へ
「何を分析し、どこから改善すればよいか分からない」という場合は、サイトの目的と困っていることをお知らせください。和田経営相談事務所が、経営・財務の視点と自社サイトでの実践経験をもとに、販促改善の優先順位を一緒に整理します。