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【認定支援機関向け】405事業の受任判断|4つの失敗事例と7つの事前確認

「認定支援機関として405事業へ取り組みたいが、自分の事務所だけで対応できるだろうか」

「金融機関から案件を紹介された。受任前に何を確認すべきか」

「計画を作る業務だと思っていたが、他行調整や伴走支援まで必要なのか」

405事業(経営改善計画策定支援事業)は、認定経営革新等支援機関等が中小企業の財務・事業を分析し、金融支援を伴う経営改善計画の策定と実行を支援する制度です。支援費用の一部を中小企業活性化協議会が負担する仕組みがあり、専門家の知見を必要とする企業が本格的な経営改善へ取り組む入口になります。

最初に結論をお伝えします。認定支援機関が405事業を受任する際に最も重要なのは、案件数や報酬額ではありません。受任前に再生可能性、経営者の実行意思、資金繰り、金融機関の支援方針、資料の信頼性を見極め、自らの支援体制と業務範囲で最後まで伴走できるかを判断することです。

認定支援機関の資格があっても、すべての案件を単独で完結できるとは限りません。財務デューデリジェンス、事業分析、金融機関調整、計画策定、実行支援のうち、自らが担当できる範囲と、他の専門家と連携すべき範囲を明確にする必要があります。

この記事では、認定支援機関、税理士、中小企業診断士等の支援者に向けて、405事業へ取り組む意義、受任側が負う実務、受任前の確認項目、和田経営相談事務所が開業当初に経験した4つの失敗を解説します。

405事業の制度全体は関連記事で確認できます

認定支援機関が405事業へ取り組む4つの意義

1|税務・計画作成を越えた経営改善支援ができる

405事業では、過去の数値を整理するだけでなく、窮境原因を特定し、利益とキャッシュフローを回復させるアクションプランを作り、実行状況を確認します。財務と事業の両面から経営課題へ関与するため、認定支援機関としての専門性を実務で発揮できます。

2|事業者と金融機関の共通認識を作れる

経営者、主要金融機関、他の取引金融機関では、会社の現状や必要な支援について認識が異なることがあります。実態財務、資金繰り、改善施策、返済見通しを共通資料にまとめることで、関係者が同じ前提で協議する土台を作れます。

公的制度を使えば金融機関の同意が自動的に得られるわけではありません。支援者には、計画の前提を説明し、各金融機関から出た疑問や条件を整理する役割が求められます。

3|計画策定後も企業の変化を支援できる

2026年5月改定後の通常枠では、伴走支援を原則3年間、少なくとも年2回以上実施します。計画と実績の差を確認し、未達原因を分析し、改善行動の修正を支援するため、計画書を納品して終わる業務ではありません。

4|再生支援の実務能力と連携基盤を蓄積できる

一つの案件を適切に支援することで、業種分析、資金繰り、金融機関説明、予実管理のノウハウが蓄積されます。金融機関や他士業との信頼関係にもつながりますが、紹介や次の受注が保証されるものではありません。成果と守秘、説明の正確性を積み重ねることが前提です。

受任側が負う5つの実務と責任

1|計画作成以外の事務局業務が多い

利用申請、必要資料の収集、協議会との連絡、金融機関への資料配付、会議日程の調整、議事記録、支払申請、伴走支援報告など、案件管理に相当の工数がかかります。誰が何を担当するのか、着手前に業務工程を分解しておく必要があります。

2|金融機関の同意は保証されない

主要金融機関が前向きでも、他の金融機関が同じ条件へ同意するとは限りません。債権額、担保・保証、支援経緯、内部方針が異なるためです。対象となる金融機関、依頼する金融支援、同意の確認方法を早い段階で整理します。

3|計画の根拠と資料の信頼性を確認する

経営者の説明や決算書をそのまま前提にせず、売上・原価・在庫・売掛金・固定資産・関連当事者取引など、計画へ重要な影響を与える項目を確認します。調査範囲には限界があるため、実施した確認手続と未確認事項を記録し、関係者へ説明できる状態にします。

4|計画未達時にも事実を伝える

伴走支援では、良い結果だけを報告するのではなく、未達額、原因、資金繰りへの影響、今後の対応を整理します。経営者へ遠慮して問題を曖昧にすると、対策が遅れ、金融機関との信頼も損ないます。

5|契約・報酬・回収条件を明確にする

支援費用の2/3が補助対象となる仕組みでも、対象費用、上限、事業者負担、支払時期、追加業務の取扱いは案件ごとに確認が必要です。補助対象外となる作業や計画変更への対応を含め、契約書と見積書で業務範囲を明確にします。

「補助があるから提案しやすい」「銀行紹介だから受注できる」という理由だけで受任すると、支援者・事業者双方に不利益が生じます。制度の目的、必要な業務、自己負担、金融支援の不確実性を説明した上で判断してもらうことが重要です。

【実録】開業当初に経験した4つの失敗

以下は、和田経営相談事務所が開業当初に経験した失敗を、受任判断の教訓として整理したものです。

事例の取扱いについて:守秘義務とプライバシー保護のため、特定の事業者・金融機関が識別できないよう、業種、地域、数値、背景事情等の一部を修正・再構成しています。

失敗1|銀行紹介を再生可能性の保証だと思い込んだ

状況:金融機関から紹介された企業を受任しましたが、資金繰りは限界に近く、本業の立て直しにも時間が足りない状態でした。

原因と教訓:「銀行紹介なら支援方針が固まっている」と思い込み、受任前の資金繰りと再生可能性の確認が不足していました。紹介経路にかかわらず、手元資金、本業の収益力、経営者の意思、金融機関の支援方針を自ら確認する必要があります。

失敗2|意思決定者と顧問税理士の関係を確認しなかった

状況:複数回の無料相談後、事業者は顧問税理士へ依頼することを決め、受任には至りませんでした。

原因と教訓:相談段階で、依頼の決定者、顧問税理士の関与、他の候補者、無料相談の範囲を確認していませんでした。初回面談で意思決定の手順を確認し、分析や具体的助言をどこから有料業務とするかを明確にします。

失敗3|経営者への遠慮から分析が表面的になった

状況:経営者が資料提出や詳しいヒアリングに消極的で、限られた情報から計画を作った結果、金融機関から改善策の具体性を問われました。

原因と教訓:売上構成、原価、部門別収益など、必要な資料を求め切れませんでした。必要資料と面談への参加を受任条件として説明し、協力を得られない場合は受任しない判断も必要です。事業分析の視点は、内部環境分析のポイント:事業デューデリ|経営危機を乗り越える!経営再建計画の作り方|③でも解説しています。

失敗4|財務デューデリジェンスで在庫の実態を確認しなかった

状況:計画策定後に在庫計上の問題が判明し、計画の前提と支援者への信頼が揺らぎました。

原因と教訓:決算書と経営者の説明を前提とし、在庫数量、評価方法、滞留状況、根拠資料との整合を十分に確認していませんでした。重要科目は、残高の増減、証憑、現物、外部資料など複数の視点で確認します。粉飾が疑われる場合の銀行評価は、【粉飾決算とは】銀行はこう見抜く!融資への影響と絶対に避けるべき理由(2025年版)をご確認ください。

受任前に確認する7項目

  • 1資金繰り:計画策定と金融機関協議が終わるまで事業を継続できるか。
  • 2再生可能性:本業の強みと改善余地があり、利益とキャッシュフローを回復できるか。
  • 3経営者の実行意思:情報開示、原因分析、意思決定、改善行動へ主体的に関与するか。
  • 4金融機関の方針:主要金融機関が何を懸念し、どのような支援を検討し得るか。
  • 5資料の信頼性:粉飾、資金流出、不良資産など、計画の前提を崩す問題がないか。
  • 6支援体制:財務・事業・法務・金融調整を誰が担当し、不足分を誰と連携するか。
  • 7契約条件:業務範囲、報酬、支払時期、追加業務、途中終了時の取扱いが明確か。

受任時に収集する基本資料は、経営改善計画書の必要書類一覧|銀行提出前に準備したい資料と確認ポイントで整理しています。

受任後の進め方|最初に役割分担を決める

受任後は、事業者、認定支援機関、主要金融機関の間で、連絡窓口、資料提出期限、面談日程、分析範囲、計画完成の目標時期を共有します。複数の専門家が関与する場合は、財務分析、事業分析、数値計画、金融機関説明、伴走支援の担当を決めます。

銀行側が確認する実務は【銀行員向け】405事業のメリットと注意点|融資先支援・行内判断・伴走支援の実務、銀行から提案を受けた事業者側の対応は銀行から405事業を提案されたら?確認すべき5項目と次に行う準備で解説しています。関係者がそれぞれの役割を理解することで、認識の食い違いを減らせます。

計画書案ができたら、数値目標だけでなく、改善策の担当者、実施期限、必要資金、資金繰りへの効果を確認します。金融機関から修正を求められた場合は、単に数字を合わせるのではなく、計画の前提や実行可能性へ戻って検討します。

金融機関が計画を認めにくい代表的な理由は、【元銀行員が宣告】あなたの経営改善計画が銀行に突き返される「3つの致命的欠陥」と承認の絶対条件(2026年版)で詳しく解説しています。

認定支援機関・専門家の皆様へ

当事務所の「AI経営参謀」は、原則として中小企業経営者ご本人による、自社の経営相談を目的としています。

税理士、認定支援機関、経営コンサルタント、M&A支援者等による、顧問先案件の財務分析、デューデリジェンス、金融機関提出資料の作成など、専門家の業務を代行する目的での利用には対応していません。

405事業の受任判断、経営改善計画、金融機関調整、専門家同士の協業に関する相談は、AIでは判定できません。紹介元またはメインバンクとの協議を先に行い、協業の必要がある場合はお電話で代表の和田へご相談ください。

まとめ|受任判断が405事業の成否を左右する

405事業は、認定支援機関が中小企業の経営改善へ深く関わり、金融機関や他の専門家と連携して再生を支援する制度です。一方、計画作成だけでなく、資料確認、金融機関調整、事務局業務、伴走支援まで継続的な実務を伴います。

受任前に「この会社を支援できるか」と同時に、「自分たちが最後まで責任ある支援を続けられるか」を確認してください。対応範囲を超える場合は、経験のある専門家や中小企業活性化協議会等と早期に連携することが重要です。

最新の要件、様式、補助対象費用は、中小企業庁の経営改善計画策定支援および2026年5月改定の案内をご確認ください。

※制度の利用可否、対象費用、金融機関同意、支払申請、伴走支援の取扱いは案件によって異なります。個別案件は、所在地の中小企業活性化協議会、主要金融機関、関係専門家等へご確認ください。

認定支援機関・専門家の皆様へ|紹介案件・協業相談はお電話で

顧問先や支援先について、財務・事業デューデリジェンス、経営改善計画、金融機関調整、バンクミーティング等の協業を検討している場合は、紹介元とメインバンクの検討状況を確認した上でお電話ください。

089-904-1437

受付:月~土曜日 9:00~18:00(祝日を除く)

受付方針の詳細:405事業の紹介案件相談|金融機関・支援機関向け受付窓口

※お電話によって面談、協業、当事務所による受任、405事業の利用が確約されるものではありません。最初のお電話では顧問先を特定できる情報や資料は不要です。

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ご覧いただきありがとうございました。

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