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【銀行員 上司 同行訪問】その理由とは?融資謝絶サインと正しい見抜き方(2025年版)

「銀行の担当者から『今度、上司とご挨拶に伺います』と連絡があった。これはどういう意味だろう?」

「融資を申し込んだ後、上司と来社するとのこと。良い話か、それとも断りか…」

「銀行員が会社に来る理由、特に上司と一緒の場合の意図を知りたい」

取引銀行の担当者から、上司との同行訪問の連絡を受けると、経営者としては少し身構えてしまうかもしれません。特に融資を申し込んだ後などのタイミングでは、「審査が前向きに進んでいるのか、それとも断りの話なのか」と、その真意が気になるところです。「銀行員 上司 同行訪問」には、一体どのような理由があるのでしょうか?

この記事では、ここ愛媛県をはじめ多くの中小企業をご支援してきたコンサルタントとして、銀行員が会社に来る理由、特に上司と同行する場合の主な目的、融資謝絶(ゆうししゃぜつ:融資を断ること)を伝える際の銀行側の事情や、経営者が見逃しがちな「断りのサイン」、そしてこうした訪問にどう備えるべきかについて解説します。

銀行員が上司と2人で訪問

銀行員が上司と会社に来る理由:2つの目的

銀行員が上司(支店長や融資課長など)と一緒にあなたの会社を訪問するのには、大きく分けて2つの目的が考えられます。

目的①:前向きな情報収集・意思決定のため

これはポジティブな訪問です。融資の申し込みを受けた担当者が、稟議書(融資承認を得るための内部書類)を作成し、上司や本部に承認を求めるプロセスにおいて、担当者からの報告だけでは情報が不十分だと上司が判断した場合です。

上司自身が会社を訪問し、経営者の人柄や経営方針、会社の雰囲気、事業の状況などを直接確認することで、稟議を進めるための材料を集め、より確かな意思決定を行おうとしています。特に、融資金額が大きい場合や、銀行にとって新規の取り組みとなる場合に、このような訪問が行われることがあります。

目的②:融資謝絶(お断り)を伝えるため

残念ながら、こちらはネガティブな訪問です。銀行内部で検討した結果、今回の融資は見送る(謝絶する)という結論になった場合に、その旨を伝えるために上司が同行します。

銀行では、融資の謝絶というデリケートな話を、担当者一人だけで行うことを避ける傾向があります。これは、

・経営者のプライドを傷つけたり、感情的な反発を招いたりするリスクを軽減するため。
・「担当者個人の判断ではなく、銀行組織としての決定である」ことを明確に示すため。
・謝絶理由などについて、経験豊富な上司がより適切に対応するため。

といった理由からです。

通常、謝絶の連絡は電話ではなく、直接訪問して丁重に行われます。 したがって、担当者からのアポイント連絡の際に、声のトーンがいつもより低い、歯切れが悪いなどの様子が見られれば、こちらの目的である可能性も考えられます。

 

なぜ銀行は融資をハッキリ断らないのか?

融資謝絶の場合、多くの経営者が「なぜダメなのか、理由をはっきり教えてほしい」と感じます。改善点を知り、次に繋げたいからです。しかし、銀行員は明確な謝絶理由を言わず、曖昧な表現に終始することが少なくありません。これが「銀行員 融資 断り方」の特徴とも言えます。

トラブル回避と関係維持への配慮

銀行が明確な理由を言わない最大の理由は、トラブルの回避です。「業績が悪いから」「担保が足りないから」「過去のあの件が…」などとストレートに伝えると、経営者の感情を逆撫でし、「そんなことはない!」「評価がおかしい!」といった水掛け論や、深刻な関係悪化に繋がるリスクを恐れているためです。今後の取引可能性を完全に閉ざさないための配慮、という側面もあります。

「察してもらう」ことを期待する心理

明確な言葉で伝える代わりに、**やんわりとした表現で「今回は難しい」という状況を伝え、経営者側に「察してもらう」**ことを期待している面もあります。

よく使われる「断りのサイン」となる言葉

以下のような言葉は、銀行員が使う典型的な「断りのサイン」です。決して「もう少し待てば融資してもらえるかも」という希望的観測を持ってはいけません。 これらは、現時点での融資謝絶と受け止めるべきです。

・「総合的な判断により、今回は見送らせていただくことになりました」
・「大変申し訳ありませんが、今回はご希望に沿えません」
・「今は少し時期が悪いようです。次回の決算内容を拝見してから、改めて検討させてください」
・「もう少し既存の融資の返済が進んでから、再度ご相談いただけますでしょうか」
・「当行としても、貴社へのご融資は融資枠(限度額)に達しておりまして…」

これらの言葉が出たら、その銀行からの今回の追加融資は無いと判断し、速やかに次の対策を考える必要があります。

経営者が気づきにくい「隠れた謝絶サイン」

上記のような明確な(しかし婉曲的な)断り文句だけでなく、融資申込後の担当者の言動の中にも、**「隠れた謝絶サイン」**が潜んでいることがあります。

融資申込時の担当者のコメント

融資を申し込んだ際、あるいはその後のやり取りの中で、担当者が以下のような発言をした場合、行内での審査が難航している、あるいはネガティブな方向に向かっている可能性があります。

・「念のため、他の銀行さんにも並行してご相談されてみてはいかがでしょうか?」 (自行で難しい可能性を示唆)

・「もしもの場合、ご親戚や取引先などで、資金的に支援してくれそうな方はいらっしゃいますか?」 (銀行融資以外の資金調達手段を探っている)

・「当行としても、これまで精一杯ご支援させていただいた経緯はご理解くださいね」 (過去の支援実績を強調し、今後の支援が難しいことを匂わせる)

これらのサインを見逃すリスク

経営者がこれらのサインに気づかず、「銀行も前向きに検討してくれているはずだ」と期待し続けてしまうと、いざ正式な謝絶を受けた時のショックが大きく、また、他の資金調達手段を探すための貴重な時間を失ってしまいます。 資金繰りに余裕がない場合は、これが致命傷になりかねません。

[関連記事:銀行に融資を断られた!そのサインを見逃さないために]

同行訪問にどう備えるか?経営者の心構え

では、銀行員が上司と訪問してくる、という連絡を受けたら、どのように準備し、対応すればよいのでしょうか。

事前の情報整理とシミュレーション

まず、訪問の目的が「前向きな情報収集」なのか「謝絶伝達」なのか、冷静に状況を推測します。融資申込後のタイミングか、決算報告のタイミングか、自社の業績はどうか、担当者の電話の口調はどうか、などを考慮します。
どちらの可能性も考え、自社の現状(特に業績が悪化している場合はその原因と対策)を簡潔に説明できるよう、頭の中を整理しておきましょう。

冷静な対話と質問

訪問当日、目的がどちらであっても、まずは丁寧に応対し、相手の話を冷静に聞く姿勢が大切です。
もし謝絶を伝えられた場合は、感情的にならず、可能な範囲で具体的な理由を尋ねましょう。 曖昧な答えしか返ってこないかもしれませんが、「今後の改善のために参考にしたいので」という姿勢で聞くことが大切です。また、**「今後、どのような点が改善されれば、再度融資を検討してもらえる可能性があるか」**という条件を確認することも重要です。

次のステップへの準備

訪問の目的が前向きなものであれば、銀行からの質問に誠実に答え、必要な情報提供に協力しましょう。
もし融資謝絶であった場合は、その場で反論したり、食い下がったりしても状況は好転しません。 現実を受け止め、速やかに次の行動(他の銀行への相談、資金繰り計画の見直し、抜本的な経営改善策の検討など)に移ることが肝要です。

まとめ:銀行員の同行訪問は重要なサイン。冷静に見極め、次の一手へ

銀行員が上司と会社に来る理由は、大きく分けて「前向きな情報収集」と「融資謝絶の伝達」の二つです。「銀行員 上司 同行訪問」の連絡を受けたら、まずは冷静に状況を分析し、どちらの可能性が高いか推測しましょう。

銀行は、特に融資を断る際に、直接的な表現を避ける傾向があります(「銀行員 融資 断り方」)。その婉曲的な表現や、隠れたサインを見逃さないことが重要です。融資謝絶の可能性が高いと感じたら、期待を持つことなく、速やかに次の資金策や経営改善策の準備を進めるべきです。

同行訪問は、良くも悪くも、銀行があなたの会社に対して何らかの意思決定を行った(あるいは行おうとしている)サインです。その意味を正しく読み取り、冷静かつ迅速に対応することが、会社の未来を守る上で不可欠となります。

この記事が、銀行とのコミュニケーションや融資について悩む経営者の皆様にとって、状況判断と適切な対応の一助となれば幸いです。

 

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