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銀行員が上司と会社に来た理由(融資断りか、前向きか)

【この記事で分かること】

 

・ 銀行員が上司とあなたの会社に来た理由

 

・ なぜはっきり融資を断らないのか理由

 

・ 銀行員が融資断りのとき、やんわり出すサイン

 

 

《この記事の内容は以下の通り》

 

☑ 銀行員が上司と二人で訪問してくるのには、調査目的と断り目的の2種類がある

 

☑ 銀行員が融資謝絶の理由をはっきり言わないのは、「ずばっ」ということで、経営者が気分を害することを避けているから

 

☑ 銀行員が融資断りのサインを出しているのに、経営者は気づかない。以下記事の様な事を言われると、希望的観測は持たず、次の手を打つ必要がある。

 

詳しくみていきましょう。

 

銀行担当者が上司と同行訪問することの2つの目的

 

銀行の担当者に融資を申し込んだ数日後、その担当者から「上司と2人で御社を訪問したいのですが。」と企業側に連絡が入ることがある。

 

これには2つのパターンがある。一つ目。

 

担当者が取引先企業から融資案件を持って帰った。上司に報告する。上司は担当者の報告を受けて、情報をまたその上司(支店長)に上げなければならない。しかし担当者の報告が的を得ない。自分が訪問して、申込企業の業況や経営者の人柄などを確認しよう。そういうケースだ。

 

銀行は、融資案件を上司(支店長など)に報告するために、稟議書を作成する必要がある。(口頭で、まず簡単な報告をすることもある)。その稟議書を作成するために、材料を集めに来るのだ。これなどは前向きの訪問と言える。

 

もう一つのパターンは、融資の断りのため、上司が同行してくるケースだ。

 

銀行員は、例えかなり融資が難しい企業から申込みをうけても、その場で「その融資、難しいです。」と返事をしてはいけない。厳しく上司から指導を受けている。その場で即答することで、企業経営者や財務担当者のプライドを傷つけ、トラブルになる可能性があるからだ。

 

「それは、あなた個人の考えか、それとも銀行組織としての答えか。」などど切り返されると、言葉に詰まってしまう。企業側も必死だ。そうしたトラブルを回避するためにも、難しいと分かっていながらも、一旦支店に持ち帰る。そして上司に報告し、上司同席のもと、お断りに出向くのだ。銀行では、融資の断りは上司と複数名で行う事が多い。

 

断りは、遠方など余程の理由がない限り、電話ではしない。訪問して丁重にお断りする。そのため、担当者から「上司と同行したいのですが。」と連絡があり、声のトーンが低ければ、お断り訪問の可能性が高い。

 

【関連記事】なぜ銀行員は不要な融資提案をしてくるのか?そのとき、どのように対応すればいいのだろうか?こちらの記事からチェックしてみませんか?☟

銀行からの融資提案の上手な断り方 ~財務悪化防止のため有効な断り文句~

 

 

融資謝絶の理由をはっきりと言わないわけ

 

「融資謝絶の理由は何でしょうか。」企業側は当然理由を知りたい。その点を改善して、次につなげたいからだ。しかし銀行員は、はっきりした理由は言わない事が多い。

 

「総合的な判断で。」とか、「次回の決算を見せていただいてから。」とか、「もう少し返済が進んでから。」など、抽象的な表現で説明する。

 

実は、融資ができない理由は大抵が、業績(決算内容⇒赤字や債務超過)が悪いか、年商比較して借入金が多いからか、もしくは過去に銀行とトラブルがあったから、とか、そうした理由がほとんどだ。ただ、それをはっきり口にしてしまうと、融資を断られ感情的になっている企業を刺激してしまい、トラブルになる。銀行側からはっきり説明するのではなく、やんわり、ぼんやりと説明することで、企業側に気付いてもらいたい。そう考えているふしもある。(バシッと説明する銀行も、もちろんある)。

 

こちらもチェック☟

【関連記事】本部を説得できる銀行支店長、できない支店長

 

 

断られていることに気づかない経営者

 

銀行員の融資の断り文句について、少し補足しておく。

銀行員は、融資申込みがあった際、心の中で「追加融資は無理!」と思っていても、即座には断らない。

一応融資申込を持ち帰り、審査するそぶりを見せることがある。

その時、何と言ったかよく聞いておく必要がある。

以下の様な事を言うと、追加融資は難しいと判断しておくべきだ。

 

①「うちの銀行でも融資審査してみますが、念のため同時並行で他の銀行にも当たってみてください」

⇒自分の銀行で追加融資が出来そうなら、まずこんなコメントはしない。

②「親戚や取引先など、支援してくれそうな先はありますか?」

⇒銀行融資ができないとき、資金繰りは大丈夫だろうかと、心配している。

③「うちの銀行は今まで精一杯応援させてもらっていますよね、それだけは理解してください」

⇒冷たい銀行と思われたくないので、今までの支援実績を強調している。

 

このような銀行員のコメントは、実は断りのサインだ。数日後、上司と2人で融資断りのため訪問してくるだろう。

経営者は気づかず期待してしまうが、次の手を打っておかねばならない。

そのあたりの事情をもう少し詳しく説明しているのがこの記事(融資態度変化のサインを見逃す経営者:和田経営相談事務所オフィシャルホームページ)だ。併せて確認いただきたい。

 

銀行員が上司と2人で訪問してくるのには、前向きと後ろ向きの場合がある。知っておくと、心の準備にはなるかもしれない。

 

 

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