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銀行融資と担保の関係【後編】~担保物件を売却するときの注意点~

前回、銀行融資の担保について、銀行と経営者の行き違いが発生するわけについて、お話ししました。

後編では、担保物件売却時の注意点について説明しますね。

知っておかないと、思わぬトラブルになることがあります。

不動産を売却した際、いくら返済するか

「担保提供している物件を売却した場合、いくら返済するか」。

この場合でも、行き違いが発生することがあります。

例えば、本業に活用していない遊休土地が1億円で売れました。この土地は、10年前に購入し、その時融資を受けた借入残は、5000万円になっています。

経営者は、売却代金から5,000万円返済すれば、銀行は、担保を外してくれると考えています。5,000万円は自由に使えると感じるかもしれません。

しかし実は、土地には、5年前に根抵当権が2億円設定されていました。

現時点で、土地融資以外に、運転資金として1億円の融資残が残っていたのです。

1億円の売却代金は、すべて融資返済を求められます。自由に使えるお金はゼロになります。

 

知人に相談し、不信感が増幅?

事情を把握できていない経営者は、「返済額を多く要求されているのではないか?」と感じます。

事情を正確に把握しないまま、知人の経営者に相談したところ、「銀行に取られすぎじゃない?」と言われて、銀行に対して不信感を強めました。

しかし、銀行側からすると当然の要求をしているため、行き違いが生じるのです。

 

運転資金として必要な金額を確保する

上記の場合、2つのパターンがあります。

1つは、資金繰りに問題がない場合、1億円全額返済すること(ただし、売却にかかる不動産会社への仲介料や、売却にかかる税金は用意しておくこと)。

1億円全額返済すると、融資金利が2%の場合、単純計算で年間約200万円の経費が削減されることになります。毎月の融資元金返済額も減少するので、資金繰りは楽になります。

もう一つは、必要運転資金を控除した金額を返済に回すこと。1億円のうち運転資金2,000万円を控除した8,000万円を返済する、などです。

この場合は、銀行との交渉が必要になります。

なぜ2,000万円必要なのか(資金使途)、その2,000万円を活用して会社をどう回していくのか(将来計画)。

文書での提出が求められます。そして銀行が経営者の申し出に合理性があると認められると、8,000万円の返済で、担保物件に関する根抵当権が解除されます。

いずれの場合も、銀行との事前交渉が必要

注意点は、いずれの場合も事前に銀行に相談しておくことです。

売買契約が決まった後の事後報告では、銀行が担保解除を承諾しなかった場合、取引自体が流れ、違約金が発生する可能性があります。

銀行と経営者との信頼関係も崩れてしまいます。

 

銀行が、担保価値以上の担保設定をしているわけ

最後に、銀行が評価額より明らかに大きい金額を担保設定してる理由について、お話しします。

例えば、評価額2,000万円の土地に、1億円の担保設定を設定していることがあります。

担保設定が根抵当権の場合は、以前はその土地に1億円の評価額があったことが考えられます。

または、他の不動産担保の共同担保として、活用しているのかもしれません(本社工場の土地建物と、その土地に共同で1億円を担保設定)。

以上、銀行融資と担保について、お話ししてきました。

銀行融資の不動産担保は、経営者から見ると、分からない部分があります。経営者が自社の担保価格を銀行に開示要求しても、応じてくれないことが多いのです。

今日説明したことを頭にいれて、銀行交渉に臨むと良いかもしれません。

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