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経営危機を乗り越える!経営再建計画の作り方|⑪アクションプランと数値計画:計画0年目 損益計画着地見込みの作り方

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【事業デューデリ編】
① 経営再建計画が必要な状態とは?こちら
② 経営再建計画は「デューデリ」が8割 こちら
③ 事業デューデリ:うち内部環境分析 こちら
④ 事業デューデリ :外部環境分析はこれだけやれ こちら
⑤ 事業デューデリ:SWOT分析。不都合な真実と有効化の方法 こちら
⑥ 事業デューデリ:経営課題抽出は再建を左右する こちら
⑦ 事業デューデリ:損益イメージを共有せよ!  こちら

【アクションプランと数値計画編】

⑧ アクションプランと数値計画:作成の流れと良い計画 こちら
⑨ アクションプランと数値計画:減価償却と設備投資計画 こちら
⑩ アクションプランと数値計画:リース支払計画と人件費計画 こちら

 

アクションプランと数値計画の第4回目。

今日は、「アクションプランと数値計画:0年目 損益計画着地見込みの作り方」の話をします。

 

0年目とはいつのことか

今後の数値計画を作るにあたり、まずやるべきは「0年目」の予測数値(損益計画)をしっかりと固めることです。

0年目とは、計画を策定している現在、今期のことです。

例えば、12月が決算期だとしたら、今は令和6年9月ですから、令和6年12月期決算のことです。

現時点で、令和6年1月~令和6年8月までの8カ月間の実績が確定している状況です。

例えば1年目~5年目までの5ヵ年数値計画(損益計画)を作るとして何を根拠に作るのか?

根拠の一つは、現時点での業績。0年目の着地見込みなのです。

そのため、「0年目の着地見込みを根拠を持って作成すること」は、5ヵ年計画の精度に関わってくる重要な工程です。

 

今期の実績は試算表で確認する

まずは、今期の実績(上の例で言えば8か月間)を確認します。

実績確認には、会社が作成している試算表を活用します。

私が再生計画の数値計画を作成する際一番困るのが、「試算表を月次で作成していない」会社のお手伝いをする時です。

この場合、急いで直近月までの試算表を作成してもらいます。

日頃の試算表作成がいかに大切か、この記事で説明しているので、参考にしてください。私が作成している記事の中でも、全国からアクセスが多い記事です。試算表作成で悩んでいる経営者が多いことが分かります。

【参考記事】銀行が試算表で見ているポイントとは

 

残りの月の予測方法

12月決算の場合、1月~8月は試算表で確認します。

では、残りの4か月(9月~12月)はどのように予測するのでしょう?

いくつか方法があります。ケースに応じて使い分けます。

① 試算表の8か月実績を参考に作る
【業績に季節要因が少ない場合】
・12か月÷8か月=1.5
・よって、8か月実績×1.5倍で0年目の見込み数値を作る
・ただし、補助金入金、特別な支払手数料、特殊な一度限りの売り上げなど、特殊要因は補正して平均値を出すこと

② 試算表の8か月実績に前年度の4か月を加える
【業績に季節要因がある場合:例えば11~12月に年末商戦で売上が伸びる会社など】
・8か月実績を作成する
・前年度の9月~12月の試算表を用意する
・8か月実績+4か月前年度実績で合計する

③ ①と②を組み合わせて考える
【今期に入り、前期とは違った売上増や売上減の動きが出ている場合】
・8か月実績を作成する
・今後4か月の見込は、前期実績と今期に入っての推移を掛け合わせて作成する

私の場合以下の様なフォーマットを使い0年目の見込みを作成します。

0年目数値根拠フォーマット

 

根拠が弱い計画書は同意が得られない

上記の様な流れで、経営再建計画の0年目着地見込みを作成するのですが、何を根拠に0年目見込を作成しているのか、よく分からない計画書も存在します。

0年目の着地見込みの作り込みが弱ければ、根拠のある5ヵ年計画は作れません。

もちろん、経営再建計画に不確実性はつきものです。

経営環境変化により、再建期間中に修正は出てくるでしょう。

しかし少なくとも、金融機関など債権者の同意を得るために、作成した再建計画の根拠は明確にしておく必要があります。

0年目の着地見込みの正確性は、極めて重要なのです。

 

0年目の着地見込みから再建計画を作る

0年目の着地見込みが根拠をもって固まれば、0年目の数値をベースに以後の1~5年目までの数値を計画していきます。

1~5年目の計画数値を作成するために、改善のアクションプランが数値にどう影響するのかそれぞれの計画の中で、考えていきます。

✔ 人員構成はどうするのか→人件費計画

✔ 設備投資はどうするのか→設備投資と減価償却費計画

✔ 売上はどう推移していくのか→取引先別、商品別売上計画

✔ 原価はどうなるのか→価格戦略、仕入計画

✔ 間接経費はどうなるのか→販売管理費計画

✔ 資金調達や金融機関借入金の返済計画はどうなるのか→金融支援計画

これらが最終的に☟

①損益計画

②貸借対照表計画

③キャッシュフロー計画

④タックス計画

⑤不良資産の回収計画

⑥金融機関借入金返済計画

へとつながっていくのです。

以上、「アクションプラン&数値計画:計画0年目 損益計画着地見込みの作り方」について、お話しました。

今後の貴社の財務改善にお役立ていただけますと幸いです。

次回は、アクションプラン&数値計画「販売管理費計画の作り方」についてお話ししていきます。

 

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ご覧いただきありがとうございました。

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