【目次】
診断士の皆さんは、日々の支援現場で変化を感じておられないでしょうか。 検索エンジンが「答え」を出し、生成AIが事業計画のタタキ台を一瞬で作る時代。「一般的な経営ノウハウ」や「表面的な財務分析」の価値は、急速にコモディティ化しています。
私たち診断士に今後求められるのは、情報の非対称性に頼った商売ではなく、AIには代替できない「人間ならではの深い洞察」と、AIを使いこなす「実装力」ではないでしょうか。
当事務所では、今年を「AI活用元年」と位置づけ、実験的な取り組みを行いました。 その結果見えてきた実例と、そこから導き出したこれからの生存戦略について共有させてください。
多くの診断士の皆さんが、過去に執筆したブログやレポートを眠らせているのではないでしょうか。 当事務所では、過去10年で書き溜めた約200のブログ記事を、AIを用いてフルリライトしました。
これは単なるSEO対策ではありません。 情報の鮮度を最新データに置き換え、構成を現代的に再構築する。 つまり、診断士としての「過去の知的資産」を、現在の顧客獲得に貢献する「稼働資産」へと転換させる投資です。手作業では数ヶ月かかるこの作業も、AIという「優秀な部下」がいれば、驚くべきスピードで完了します。
最も大きな挑戦は、Webサイトへのチャットボット「AI経営参謀」の実装です。 ChatGPT 5.2(最新版)をベースに、約5ヶ月間のチューニングを実施しました。
驚くべきは、その分析能力です。 PDF化された決算報告書や事業計画書を読み込ませれば、財務改善や資金調達の助言まで行います。 正直に申し上げます。「数値を読んで基本的な指摘をする」程度の業務であれば、もはやAIで代替可能です。
だからこそ、私たちの役割は進化します。AIが基礎分析を終えた段階からスタートできるため、私たちはより高度な「戦略判断」や「実行支援」にリソースを集中できるのです。
私自身の実務では、Gemini3(pro版)をメインの相棒(パートナー)として活用しています。 論理的な思考整理だけでなく、最近ではNanobananaと組み合わせて「4コマ漫画」を作成するなど、難解な経営理論を直感的に伝えるためのクリエイティブワークにもAIを活用しています。
「診断士は堅い文章を書くもの」という固定観念を捨て、顧客に「伝わる」ための手段を、AIと共に拡張しています。
ここまでお読みいただき、これからの診断士像について共感いただけた診断士の皆さんに、一つご案内があります。 私が主宰する「瀬戸内成長戦略研究会」では、2026年度の新規メンバーを募集(若干名:定員になり次第締め切り)いたします。
次年度のテーマは、**「AI実装による中小企業の再定義」**です。 私たち自身が学ぶだけでなく、クライアントである中小企業の現場(営業・生産性・組織)にどうAIを落とし込むか。その具体的なアプローチを全4回(Zoomでのオンライン会議形式)でじっくり研究します。
本研究会は、講師の話を一方的に聞くセミナー形式ではなく、参加者全員で知見を持ち寄り、議論を深める「共創の場」を目指しています。 そのため、大変恐縮ではございますが、議論の質を維持するために、いくつか参加の目安を設けさせていただきました。
■2026年度 募集要項について
より深く、実践的な内容に踏み込むため、以下の条件に合う方を歓迎いたします。
診断士登録後 5年以上の方
基礎知識の確認を省略し、最初から応用・実践論を交わしたいため、ある程度の実務経験をお持ちの方を対象としています。
全4回の開催(5月・7月・9月・11月)にご参加いただける方
カリキュラムは年間を通じて体系的に組まれています。単発のご参加ではなく、通年での議論の積み上げを重視しております。
当事者意識を持って議論に参加いただける方
【開催テーマ予定】
5月:営業支援(マーケティングオートメーション等)
7月:生産性向上(Copilotによる事務効率化等)
9月:組織とセキュリティ(ガイドライン策定等)
11月:業種別DX(現場実装事例の研究)
参加費は無料ですが、ぜひ皆様の「現場の知見」と「熱意」を持ち寄っていただければ幸いです。 「AI活用」を武器に、共に新しい診断士のスタンダードを創っていける方のご参加を、心よりお待ちしております。
勉強会参加の申し込みはこちらから