「いつも熱心に融資の相談に乗ってくれる銀行の担当者が、月末になると急に投資信託やカードローンの案内をしてくる…」
「業績は順調なのに、なぜか『今月どうしても…』と、本業とは関係のない金融商品のお願いをされることがある」
「ニュースで銀行の不正融資や不適切販売が話題になるが、どうしてあのようなことが起きてしまうのだろう?」
【目次】
愛媛県を中心に全国の優良企業の財務戦略を支援する和田経営相談事務所の見解は、銀行員による「お願い営業(ノルマ推進)」は、彼ら個人の悪意によるものではなく、これまでの銀行の収益構造(ビジネスモデル)が生み出した構造的な課題であり、経営者はその背景を正しく理解した上で、自社に本当に必要な提案を見極め、銀行と「自立したパートナーシップ」を築いていくことが重要であると考えます。
会社を経営し、銀行と取引をしていると、融資や為替といった本業に関する手続き以外にも、担当者から様々な「お願い」をされる経験があるかと思います。特に、いつもお世話になっている担当者からの依頼であれば、むげに断りづらいと感じる経営者の方も多いでしょう。
しかし、なぜ融資の担当者が、時には涙ぐましい努力で投資信託や保険、カードローンを勧めてくるのでしょうか?そして、過去に起きた銀行の不祥事は、なぜ発生してしまったのでしょうか?
この記事では、私自身が銀行員として17年間現場で経験した「ノルマの裏側」と、コンサルタントとしての客観的な視点を交えながら、銀行員とノルマの切っても切れない関係、それが引き起こす問題、そして現在進行形で変わりつつある「銀行の顧客本位へのシフト」について解説します。
一般の企業に売上目標があるように、銀行(政府系金融機関も含め)にも当然、達成すべき営業目標(ノルマ)が存在します。むしろ、上場企業である民間銀行の営業担当者が抱える目標項目は、想像以上に多岐にわたります。
第一線の営業担当者が積み上げた数字が、そのまま銀行全体の収益に直結します。そのため、担当者は以下のような膨大な項目の獲得目標を抱えて日々活動しています。
これほど多くの目標を同時に追いかけていると、担当者としても「今月はあの項目の数字が足りないから、〇〇社長にお願いに行こう」と、顧客のニーズよりも「自分の目標達成(ノルマ消化)」を優先した営業活動になりがちなのが、これまでの実態でした。
銀行の内部評価は、長らく「いかに目標数値を達成し、銀行の利益に貢献したか」に重きが置かれてきました。親身になって顧客の経営相談に乗る(目に見えない貢献)よりも、投資信託を売って手数料を稼ぐ(目に見える数字)方が、組織内で高く評価され、出世しやすい傾向がありました。
この「数字至上主義」が行き過ぎた結果、現場の行員が極限のプレッシャーに追い詰められ、過去には社会を揺るがす不祥事が発生しました。
これらは極端な例ですが、過大なノルマが「銀行員としての倫理観」を麻痺させ、顧客の利益を損なうだけでなく、最終的に銀行自身の存続すら危ぶまれる事態を招くということを、金融業界全体が痛烈に学びました。
■ ご利用は簡単3ステップ
【入力プロンプト】
直近2期の決算書データを基に、当社が現在、銀行の本業支援(経営改善や事業性評価)を必要としているか、客観的に診断してください。また、もし銀行から本業とは無関係の金融商品(投資信託など)を提案された場合、当社の財務状況(手元流動性の不足や、今後の設備投資予定など)を根拠にして、担当者の顔を立てつつ論理的に辞退するためのコミュニケーション・シナリオを作成してください。
※アップロードされたデータはAIの学習には一切使用されません。当事務所のプライバシーポリシーに基づき、機密情報は厳重に保護されますのでご安心ください。
では、お願い営業をしてくる現場の担当者が悪いのでしょうか?決してそうではありません。多くの銀行員は「お客様の役に立ちたい」という高い志を持って入行しています。
根本的な原因は、「無理に手数料(非金利収入)を稼がなければ、巨大な組織と人員を維持できない」という、古い銀行のビジネスモデルそのものにありました。オーバーバンキング(銀行の数が多すぎる状態)の中で、他行との金利競争に疲弊し、顧客の真のニーズを置き去りにして短期的な利益を追い求めた結果の「ひずみ」です。
この状況に対し、金融庁は強く警鐘を鳴らし、全ての金融機関に対して「顧客本位の業務運営(フィデューシャリー・デューティー)」を徹底するよう厳しく指導しています。「お願いセールス」ではなく、顧客の課題解決に真に貢献する提案を行いなさい、ということです。
顧客も賢くなり、「自分たちに損をさせる(不要な商品を売りつける)銀行」からは静かに離れ、真摯に経営課題に向き合ってくれる金融機関を選ぶようになっています。この危機感から、近年、一部の先進的な銀行では「個人の営業ノルマ(目標)を完全に廃止(または大幅削減)する」という大きな方針転換を始めています。
ノルマを廃止・削減した銀行は、行員の評価基準を「どれだけ金融商品を売ったか」から、「お客様の経営課題をどれだけ解決したか(事業性評価、経営改善支援、本業のマッチングなど)」へとシフトさせています。これは、銀行が本来あるべき「金融サービス業」の姿へ回帰しようとする、非常に前向きな動きです。
銀行の組織文化が完全に切り替わるまでには、まだ少し時間がかかるかもしれません。その過渡期において、経営者の皆様にお伝えしたいのは以下の点です。
自社の財務を強靭に保ち、銀行の「お願い」に流されることなく、必要な支援をしっかりと引き出す。そのような「自立した対等な関係」を築くことこそが、これからの時代にふさわしい、銀行との最高のパートナーシップと言えるでしょう。
▶ 【この記事を書いた人はこんな人】代表プロフィール
「自社の明確な財務方針(キャッシュフロー計画)を構築し、銀行とより深く、対等なコミュニケーションを図りたい」「銀行の『顧客本位』の動きを最大限に活用し、自社の事業成長に直結する融資や経営支援を引き出すためのアドバイスが欲しい」と願う経営者様へ。
和田経営相談事務所は、元銀行員としての視点と、多数の企業をご支援してきたコンサルタントとしての知見を融合し、御社が金融機関と「真の信頼関係」を構築し、共に発展していくための前向きな財務戦略をご提案いたします。
※当事務所は、金融機関との良好な関係構築を第一としております。不誠実な対応や、事実と異なる決算報告を前提としたご相談につきましては対応できかねますのでご了承ください。
自社の財務を磨き上げ、銀行とより良い未来を描きたい経営者様は、ぜひ一度当事務所へご相談ください。