来週4月1日をもって、開業6周年を迎える。
様々な方に、支えられ応援いただいて、今があるわけで、感謝の念に堪えない。家族、親、業界の先輩、元の同僚、勉強会のメンバーなど同志、クライアント(民間、行政)、事務所ビルのオーナー。挙げればきりが無い。色んな方のお世話になり、今に至ることを改めて感じている。この場を借りて御礼申し上げたい。
そして6周年は、私にとってまだまだ通過点である一方、特別な思い入れがある。理由を少しお話ししたい。
このブログでもお話ししてきたとおり、私は6年前に大卒後17年間勤めた銀行を円満退社し、独立開業した。
その時は本当に、クライアントゼロ、仕事ゼロだった。何かが決まっていて起業したわけではない。
で、今続いているのは、前述した方たちの支えと、起業して2ヶ月で採用が決まった行政関係のコーディネーター業務によるところが多い。
退職したのが平成23年1月末。そこから2ヶ月間、中小企業診断士の実務実習に参加していた。
行政機関のコーディネーター業務は、年度替わりの2~3月頃募集がある。応募したから必ず採用されるわけではなく、試験を受けて合否の判定をされる。私の場合は、筆記試験と面接試験があり、コンサルタントとしての実績はなかったが、タイミングにたまたま重なり、採用となった。(行政関係の専門家は実績と経験が重視される。もしかしたら診断士の資格と銀行員勤務経験が評価されたのかもしれない)。
そして、起業して1年目の4月から、行政コーディネーター業務に週3回(8:30~17:00まで)従事した。1週間の業務日6日のうち、この行政コーディネーター業務3日で、残り3日と夜を自分の事務所業務、の時間振り分けを、その後3年間続けることになる。
この行政コーディネーター業務を経験したことで、起業時に一番不足する「信用と実績」を補完することができ、とてもありがたかった。
その後3年が経過し、自分の事務所業務が忙しくなってきたタイミングで、事務所業務に専念するという意思決定を行った。現在、それから3年間が経過したわけである。
3年前には、この行政コーディネーター業務の売上シェアが、当事務所の全売上中、かなりの割合を占めていた。だから、そこから撤退して自分の事業に集中することは、リスクがあったわけである。起業したとき同様、周りから「なんで?コーディネーターの再公募に応募した方が良いんじゃない。」と心配いただいた。
今現在では、3年前のその決断が間違っていなかった、と思っている。
事務所業に専念すると決めたとき、「これから大丈夫か?」と、不安もあった。社会人として初めて、『どこかの組織に属さない完全なフリーの立場』で勝負することになったからだ。脱サラによる起業が6年前なら、自分の中で3年前は、「もう一つの起業」だった。「まずはあと3年、業界で生き延びる、頑張る」と心に誓った。
そして、それから3年が経過した6周年。脱サラ起業して1サイクル目3年。仕事のスタイルを変えて2サイクル目で3年。合計6年。だから6周年は、自分としては、また特別な意味があるのだ。
今後も、事業をしていると色々なことがあるだろう。しかし、何か壁にぶち当たったとき、「何も無しから始めた」6年前、「再チャレンジをした」3年前、の気持ちをもう一度思いだし、乗り越えていきたいと思っている。
【参考記事】
コンサルの本音話~信用という言葉の本当の意味~
地方で中小企業診断士として食っていくと決めた5年間の備忘録③~次の大きな決断~
今だからあのことについて話そう~出向、挫折感を力に~