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金融機関向けフィンテックサービスについて考える②~導入後の影響について~

前回は、TKCが提供する金融機関向け「TKCモニタリングサービス」の概要についてお話しした。

今回は、そのサービス導入後の影響について関係者ごとに考えてみたい。

①TKC会員の地域の税理士事務所
金融機関にとっては、財務情報開示がタイムリーなありがたい税理士事務所になるため、関係性が深まる。金融機関との連携が密な税理士事務所ということで、顧問先企業に対しても記帳・税務申告業務以外の付加価値となる。ただし顧問先企業の中には、金融機関との親密性を嫌がるケースも出てくるかもしれない。金融機関と連携した経営改善計画書、業績が厳しい先のモニタリング業務も増加するだろう。

②システムを導入した金融機関
特に業況管理先の財務情報がタイムリーに手に入るようになり、融資担当者などの労力が減少するだろう。また成長企業などの資金需要もタイミング良く入手可能で、融資提案のチャンスも増えるだろう。当TKCシステムを導入している企業に対しては、随時な財務情報開示により、融資リスクが減少するため、低金利の制度資金なども発売し、推進していくかもしれない。ただし、便利になると言うことで、手作業が減り、システム依存度が高まるため、逆に融資担当者のスキルは落ちるかもしれない。

③TKC会員税理士事務所のクライアント企業
このシステムを活用すると、今まで毎月金融機関から「試算表出してください。資金繰り表出してください。」と言われ、事務作業負担になっていた部分が、軽減される。その時間を他の業務に配分できる。財務情報のタイムリーな開示企業ということで、取引金融機関からの評価は高まる。便利な制度融資が出た場合は、恩恵を被ることができるかもしれない。ただし、当システムを導入すると、決算内容や月次実績は、取引金融機関にすべて即時把握される。

④中小企業診断士
経営改善計画書作成や、企業のモニタリング業務が、金融機関の要請で、税理士業界に流れる可能性がある。競合増加で、診断士業界の仕事の全体量が減る。

以上、自分の想像であるが、考えてみた。どの関係者にもメリット、デメリットがあるが、我々診断士には外部環境の脅威となるのではないか。

次回は、この動きに対する診断士としての対策を考えてみたい。

「金融機関向けフィンテックサービスについて考える②~導入後の影響について~ 」
ご覧いただきありがとうございました。

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