前回まで、コンサル1年目で意識してやっことをお話した。
今回からは、意識して「やらなかったこと」をお話したい。
意識してやらなかったことの代表は、「飛込み営業」と「銀行時代の顧客回り」だ。
まず飛込み営業。起業したからまずは、見込み客を集めないといけない。そこでやりたくなるのが、飛込み営業。例えば商店街を順番に名刺を配って回るなどだ。これについては一切やらなかった。
銀行時代はどんどん飛込み営業をした。リスト片手に会社に飛込み、取引をお願いする。そうすれば地元銀行の強みか、だいたいの経営者は話ぐらいは聞いてくれた。しかしこれはブランドがあってこそだ。
駆け出しのコンサルが、飛込み営業をしても胡散臭がられるだけだ。自分も話さえ聞いてもらえず、邪険にされると、気持ちが落ちこんでしまう。だから避けた。
次に銀行時代の顧客回り。お世話になった取引先には、退職と開業の挨拶状は送った。しかし数社を除いて、訪問はやめておいた。辞めた人間が顧客回りをするのは、銀行からしても「なんだあいつは。」となるだろう。それは避けたかった。
また、銀行時代の上司、同僚にも退職の挨拶状を送った。200通ぐらい出しただろうか。お世話になった方への御礼は大切だ。
この時点では、先の事は分からなかったが、5年目の今振り返ると、これが良かったと思う。挨拶状を出し、感謝と御礼のコメントを手書きしておくと、心のどこかに留めていただけるようだ。今になって、銀行時代の上司・同僚から少しづつお声掛けいただくことが増えてきた。
不思議なもので、起業した当初は、ほとんど声がかからない。しかし年数を重ねてくると、声がかかるようになるのだ。事業は「信用と実績」が大切というのは、間違いないと思う。
以上、営業においては、「飛込み」と「勤め人時代の顧客回り」を意識してやらなかった。