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投資信託の売り方について考えてみる

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日経平均株価は、久しぶりに16,000円を突破し、円安により円相場は110円間近だ。こういうときは投資信託がよく売れる。よく売れるというよりは、売り手がたくさん売ると言った方が良いかもしれない。

投資信託とは、「投資家から集めたお金をひとつの大きな資金としてまとめ、運用の専門家が株式や 債券 などに投資・運用する商品で、その運用成果が投資額に応じて分配される仕組みの金融商品」である。預金のように元本保証ではなく、相場の上がり下がりで、得したり損したりする「リスク商品」だ。

証券会社・銀行の窓口や営業担当者、インターネットなどで購入できる。

私が以前所属していた銀行業界は、9月のこの時期、中間決算の業績積み上げの真最中である。株式相場や円相場も投資信託販売に追い風となっており、銀行の勧めもあり、購入を検討している人も多いだろう。

なぜ今が売りやすいかというと、①株式相場が活気づいており、日本株式連動型投資信託が上り調子であること、②円相場が円安傾向であるということは、外貨建て投資信託の商品価格が、円換算で上がっていること、により、もともと保有している投資信託の含み益が発生しているからである。

含み益が発生すると、「一度売却して利益を確定しようか」、と言う気持ちが投資家(銀行で言えば顧客)に出てくる。また、銀行からも「売却して利益を確定しませんか」、との提案がなされる。売却すると、そのできた資金で、新商品を銀行が勧めてくるわけだ。

この動きと共に、銀行の9月決算⇒業績を上げないといけない、と言う事情が重なり、おそらく全国で投資信託の販売が増加しているだろうと推測できる。

なぜこんなにも銀行が投資信託販売に熱心かといえば、「銀行の好決算発表相次ぐ!その裏側に見えてくること」で説明したが、本業で儲けていくことが、年々大変になっているからだ。そのため、投資信託を販売することで得られる「販売手数料」は、重要な収入源となっている。

投資信託は、購入時に銀行に販売手数料を支払わなければならない。商品にもよるが、だいたい購入額の2~3%のものが多い。(ネット購入はもっと安いが)。例えば100万円の商品を購入すると、2~3万円の販売手数料が購入代金から支払われ、残り資金の97~98万円で投資信託が購入される。

販売手数料を獲得したい銀行(特に営業担当者)は、次のようなセールスをする。①できるだけ多くの購入額を提案する②手数料の高い商品を販売しようとする(商品そのものよりも手数料の大小を気にする)③保有している商品を売却させ、新しい商品を購入させようとする

銀行も株式会社で商売であるから、その最前線で働く営業担当者には、以上のような動機付けが働くわけだ。しかしながらこうした提案が、必ずしも顧客にとって最善になるとは限らない。(むしろマイナスのケースが多い)。

自身が取れるリスクを超えた金額を購入してしまうかもしれないし、手数料の安い商品の方が合っているかもしれない、また、売却せずに、そのまま保有しておいた方がリターンが大きいケースもあるだろう。

『販売手数料の大小で評価するシステム』が、営業担当者を顧客ニーズとは離れたセールスに導いている。現在、銀行業界ではこの評価方法を見直す動きが出てきている。具体的には、「長く保有してもらうこと、地道に残高を積み上げていくこと」の評価を高める動きだ。

「長く保有してもらうこと」の評価配分を高くすれば(=販売手数料の大小の評価配分が下がる)、保有している投資信託の売却を急がせ、新しい商品を勧めることが少なくなる。都銀などからこうした動きが始まった。

まだ大きなうねりにはなっていないが、投信販売に対しての評価システムの変更(販売から保有へ)は、顧客との長くて良い関係を築いていくうえでも、大切ではないだろうか。今後の動向を見守っていきたい。

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