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良い企業と言われているほど、有事の際に「もろい」印象がある。なぜか、どんな準備をしておくか

世間一般に良い企業と言われている企業ほど、個人的に「もろい」イメージをもっている。

銀行員時代やコンサルタント経験を踏まえて、そう感じている。優良企業と言われていた企業が、転落していく様子を見てきた。そしてその転落のスピードは、業況が苦しいと言われている企業より、かなり速い。

なぜなのか?考えてみたところ、以下のような原因が思い浮かんだ。

①業況が悪くなることを想定した準備をしていない

もともと業績が良い企業なので、悪くなるという意識がなく、業績が下降し出すと焦るが、すでに遅い。

②外部環境の変化に対して、素早く手が打てない

例えば中国等の海外の台頭や、消費者の嗜好の変化など重要な環境変化を見過ごす。

③銀行に対して頭を下げない

そのためにリスケ(銀行に元金据え置きを申し込むこと)など、適切な対応ができず、資金繰りがショートする。

こうした企業はもともと、銀行内でも「大切な企業」と考えられている。新しく転勤してきた支店長が、真っ先に挨拶にいくような企業だ。銀行の支店長や役員などと定期的に懇親会などをしている。借入より預金の方が多い時期もあるなど、財務内容が良く、外部の調査会社の評点も高い。そして、融資を受ける際には、自社が申し込むよりは、銀行から「借りてください」と申し込まれることの方が多い。

色々な銀行から、融資のアプローチがあり、銀行と「付き合いで取引している」という感覚が強い。例え1期赤字を出したとしても、「一時的なことで何とかなる」、と考えている。銀行もその説明を受け、今までの信頼関係や預金の残高もあり警戒しない。

しかし、翌期もまた赤字を計上してしまう。こうなると銀行は、一過性の赤字ではなく、構造的な赤字体質となったと判断し、一気に融資姿勢を厳しくする。運転資金の申込みをしても、「あれを出せ、これを出せ」と、資料の要求が増え、中々融資決定にならない。あれだけ親密にしていた役員や支店長も、あまり来店しなくなる。訪問してくるのは、今まであまり見ることのなかった融資担当役席だ。懇親会の誘いも渋るようになる。

そもそも銀行が懇親会に応じるのは、業績の良い企業だけだ。業績が悪くなると、一気に警戒感が深まり、懇親会の誘いもなくなる。誘っても理由をつけてこなくなる。

ここでこの経営者は思う。「銀行が手のひらを返した。」「あれだけ付き合いをしてきたのに。恩知らずだ。」自分も態度を硬化し、銀行に敵意をむき出しにする。冷静さを失い、リスケなど取るべき対応をとれない。というか、銀行は頭を下げてくるものだと思っているため、自分から銀行に頭を下げることはしない。こうして、残念ながら事業がとん挫する。このスピードは速い。

銀行とはそういうところだ。融資した元金の回収がもっとも大切だからだ。立場を替えて、自分の貸したお金が、回収不能になりそうだと考えると、自分もそうした態度をとるだろう。そう考えると銀行のこの態度の変化は、しっくりとくる。

だから結論として、銀行との取引は、近くなりすぎず、遠くなりすぎず、ビジネスパートナーとして、適度な距離を保つのが良い。そして何より、自社が厳しい状況になったとき、銀行対応をどうするのか・・・。リスケなどを含めて、知識としてもっておきたい。有事の際にこそ、その企業の価値が、そして経営者の真価が問われる。

 

 

 

 

 

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