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四国4県地銀全8行増益決算!!今後の融資姿勢について予想してみる

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日経新聞を読んでいると、四国地区の地銀(地方銀行4行、第2地方銀行4行)全8行が、増益になったとの記事がでていた。

この裏事情については、以前お話した通り(銀行の好業績発表相次ぐ!!)だが、今後銀行の融資姿勢はどう向かうのか、個人的見解ではあるが、予想してみたいと思う。

ポイントは、『この好業績は、本業の利ザヤ収入の拡大によるものではない』ということだ。利ざや収入とは、貸出金利息と預金利息の差額収入のことだ。銀行は、できるだけ低い金利の預金を調達し、できるだけ高い金利で貸そうとする。この利ざやによる収入が、減少傾向にあるのだ。この辺の事情は、(銀行の好業績決算発表相次ぐ!!)で説明しているので参考にしてもらいたい。

上記から、今後銀行が取ると考えられる動きは、2つある。一つは「貸出金の増強」で、もう一つは「適正利ザヤの確保」、つまり金利の引き上げの動きだ。一つずつ説明していこう。

まず、貸出金の増強である。

金融庁は、各銀行に対して、新規貸し出し強化に関する指導を行っている。そしてその効果は、徐々に出てきている。本日付の日経新聞によると、四国地銀8行の貸出金残高が、6行が前年比プラス、2行がプラスマイナスゼロになったという。前年マイナスの銀行はない。銀行融資は、何もしないと、月々返済があるため、減少する。そのことから考えると、プラスマイナスゼロの銀行でさえ、減少した部分を貸し込んでいるということになる。

横並び意識の強い銀行は、このように一覧表にして新聞発表されると、発奮し競争が始まる。プラスマイナスゼロの銀行などは、危機感をもって融資推進を強化するだろう。

今までは、銀行が貸出金を増強する動きを取る場合、信用力の高い企業に、融資が集中していた。そのため金利競争となり、一部企業には、採算度外視の低金利貸し出しが行われてきた。この金利過当競争にも金融庁がまったをかける。

金融庁高官の談話からは、過当競争を支持しない、適正金利貸出を推進する声、も聞こえてきた。銀行に今後の収益モデルを提出させ、取組の甘い銀行には、個別指導に入る。そうした背景も後押しし、銀行は「適正利ザヤ確保」に意識を向け始るのではないか。

適正利ザヤ確保とは、借主の企業側からすると、金利の引き上げ=調達コストアップになる。

反発が予想されるため、今ある既存融資の金利をいきなり引きあげたりはしない。新規融資を申込む際に、今までより高い金利を提示する動きが出てくるだろう。そして、日銀から民間銀行への貸付基準金利(以前は公定歩合と呼ばれていた)や、国債金利の上昇が始まると、既存金利の引き上げの動きが出てくるのではないか。これも横並びで一斉に始まる。銀行は、他銀行の動きを注意をもってリサーチしているからだ。

日銀は、物価上昇目標を立てており、物価が上昇するということは、金利も上昇に向かうということだ。そういう状況になったとき、皆さんはどう対応するだろうか。準備はできているだろうか。動き出せば速い。

しかし一方、マイナス面ばかりではない。前述のように、貸出姿勢が前向きになるということは、企業活動にとって血液ともいえる「お金」が回りだすことだ。新事業展開などにも取り組みやすくなる。

また、適正利ザヤを確保するために、今まで銀行が敬遠してきた信用力が若干落ちる先(いわゆる債務者区分→要注意先など)に、資金が向かう可能性はある。当然、少し高めの金利提示になると思うが。

銀行も経営者の人柄が信用できれば、多少リスクを取ってでも、一歩踏み出してほしいと思う。今、そうした姿勢が一番感じられるのは、残念ながら、民間銀行の補完的役割である政府系金融期間であり、後発のイオン銀行(個人ローンだけど)、アマゾン、楽天銀行など流通系金融だ。個人的な見解であるが・・・。

 

 

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