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起業データで不思議に思うこと

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ある機関が調査した、起業者に関するデータを見る機会がありました。

起業者支援に身を置くものとして、また自身も2年半前に起業した経験を持つものとして、興味深く拝見しました。

その中でいくつか気になるデータを目にしました。

一つ目は、起業年齢で平均が42歳。構成比では「30歳代」が39.2%で最も多い。私も30歳代最後の年、39歳で起業したので、納得いくものがありました。20代は経験不足、40代は組織内で責任ある立場を任され、子供にも高校・大学進学などお金がかかってくる年代であること、を理由として踏ん切りがつきにくいのです。

結果として、社会人としてある程度の経験やネットワークを有し、組織内ではまだ幹部までは上り詰めていない30歳代の起業が多くなるのだと思います。

2つ目は、私が起業支援者として感じていた感覚と違うデータが掲載されていました。起業後の状況についてです。起業約1年後の時点で、予想売上の達成率が53%、黒字基調が68%、ということでした。

データは取っていませんが、私が肌で感じている感覚は、このデータよりかなり低い達成率です。

アンケートに答えている起業者が、ある程度成功している事業者に偏っている可能性があります。(失敗した事業者がアンケートに答える割合は低いのでは?)。また、そもそも、創業資金の融資が受けられる事業者は、(創業融資が受けられなかった事業者と比較して)事業プランがしっかりしているのではないか、と推測できます。

黒字化については、自身の生活費(個人事業主の場合)を考慮していないのではないか(例えば生活費をゼロにしたら、黒字になりやすい)と感じました。

このように、市場調査と言われるアンケート調査から物事を判断する場合、鵜呑みにできないことがあります。この調査結果を見ると、起業した半分以上の事業者が成功しているように見えますが、現状はそんなに甘いものではありません。起業には覚悟が必要なのです。

「起業データで不思議に思うこと 」
ご覧いただきありがとうございました。

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