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こんな時代だから起業について考えてみる⑤~資金調達手段としての補助金は実際どうか~

起業して設備投資や運転資金がいる場合、資金調達の手段は、大きく3つあります。

1つめは自己資金、2つ目は銀行借入、3つ目は補助金です。

現在は政府が起業を後押ししていることもあって、創業に関する補助金があります。創業補助金という補助金で、第2回目までの募集が終了し、情報では9月~10月にかけて第3回目の募集が始まると聞いています。この補助金に採択され、すでに起業した方もいらっしゃいます。

起業者の皆さん、創業補助金というと、簡単にもらえるものだと考えています。補助金という言葉のイメージでも、そう取られやすいのです。しかし、補助金は単純にもらえるものではありません。事業計画書を提出したうえで、事業プランの審査があり、実現可能性、継続性が高い、いいプランが採択されるのです。

そして皆さん一番意外に思われるのは、「事業が始まったらすぐに口座に入金されるものではない」、ということです。事業期間(だいたい1年程度)が終了後、きちんと経費がプラン通り支出できているか、事業計画通り事業が進んでいるか、が確認されたうえで(完了検査と言います)初めて入金になるのです。ですから応募、審査期間、事業期間を含めて、口座に入金になるまで1年以上の年月がかかるのです。

もちろんその間、事業を進めていかなければなりません。資金が要ります。どう調達するのか。そうです。自己資金もしくは借入金で建て替えなければならないのです。また、対象経費は採択決定後支出分ですので、応募⇒審査の2~3カ月程度は、欲しい設備の購入を待たねばならず、その間事業がストップしてしまいます。(まった挙句審査で不採択になるとまた困ります)。

加えて創業補助金は、返還不要ではありません。補助事業で利益が出れば、返還しなければなりません。事業完了後5年間の決算書提出義務、事業期間の対象経費の証拠書類提出など、事務手間もかかります。

補助金は確かに、資金調達にプラスになり、魅力的です。しかしながら、こうした立替金の存在、手続きの煩雑さや、スピード感、など知っておかなければならないこともあります。理解したうえで、有効活用に取り組みたいものです。

 

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