補正予算の補助金の募集が開始されました。
特に中小企業関係の補助金について観察していると、見えてくることがあります。例えば「ものづくり補助金」と「創業補助金」。
比較すると「ものづくり補助金」は、組織体制も整い出来上がった既存の「ものづくり企業」に対する補助金。「創業補助金」は、なにもかもこれからという、出来立てほやほやの「未成熟な事業者」に対する補助金。
応募状況を見ていると、圧倒的に「ものづくり補助金」が先行しています。ものづくり補助金が1,000万円、創業補助金(創業分野)が200万円という金額の大小も影響しているかもしれません。しかしそれ以外に大きな要素が働いているように感じます。
それは、認定支援機関たる地域金融機関の取り組み姿勢です。「ものづくり補助金」については、認定支援機関として積極推進していますが、「創業補助金」については、様子見で、むしろ消極的といってもいいかもしれません。補助事業をするにあたっては、補助金以外の資金調達(いずれも補助率は2/3)が必要ですし、またこれらの補助金は後払いですので、立替金の調達が必要です。資金調達の面でどうしても金融機関の協力が必要になってくるのです。
「創業補助金」の中にも、将来性のある事業者がいると思います。(もし事業プランが優れていなければ、そもそも創業補助金が採択になりません。採択になれば、一定の魅力を有したプランといえます)。ですから最初から消極的な姿勢にならず、地域金融機関として「今後地域経済を牽引していく人材をバックアップしていくのだ」という気概をもってこの事業に対応してもらいたいと思います。
横並びではなく、こうした創業者支援を通じた地域活性化の取り組みをアピールしていくことによって、他金融機関との差別化が図れると思います。チャンスだと思うのですが。