経営者に、「売上は1社に集中させるとリスクが高まります。売上をできるだけ1社に集中させずに販売先を増やし、リスク分散を図りましょう。」とアドバイスすることがあります。
売上が少数社に偏在していると、そのうちの一つの取引がなくなると一気に業績が悪化し、事業の継続性が危ぶまれるからです。ビジネスモデルとして、多くの顧客から幅広く売上を計上している企業はリスク耐性が強く、逆にごく少数の顧客から売上を計上している企業はリスクに対して脆弱です。
ただしうまくいっているときは、少数の企業から売上を上げている企業の方が、少ない手間で売上を計上できますし、生産性も高いので一見よい企業のように見えます。愛媛県を例に挙げるとパナソニックの協力企業がそうでした。パナソニックが好調な時は、協力企業も潤っており、優良企業ばかりでした。しかしパナソニックが業績悪化により、生産拠点集約化のため工場を撤退すると同時に、協力企業のほとんどが廃業・倒産に追い込まれました。
翻って自分のことを考えてみます。起業当時は、できるだけ多くの取引先から売上をあげれるようにしよう、小口分散でいこうと考えていました。1年半が経過した現在、どうだろうかと考えてみました。もしあそこの契約が切れたら、もしあそこの契約が終了したら、法律が変わったら、予算が削られたら・・・。シュミレーションしてみるとぞっとします。起業当初の志を忘れた自分がいました。
起業当初は何もなし、定収なし、ゼロからのスタートだったので、その時から比較すると確かに1年半が経過し、売上も安定してきました。しかしながら、安定の中にあぐらをかいてはいけない。企業も好調期にリスクの種がひたひたと忍び寄ります。もう一度ねじを巻きなおして、より多くの顧客から売上を計上できる仕組みを考えていきたいと思いました。リスク分散は大切です。
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