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過疎地の地域活性化②~霧の森大福とは~

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新宮村(現四国中央市新宮町)といえば、「霧の森大福」。このスイーツの名前は今では全国に広がっています。

霧の森大福とは、特産品である新宮村の「新宮茶」を使用した抹茶大福です。中を割ると甘いクリームが入っています。販売店は愛媛県内でも2か所しかありません。丹精に1個づつ生産しているので、大量生産ができず、8個入りのセットが1日800箱しか製造できません。1人限定3箱なので、1日300人程度の人にしか購入できないのです。ネット通販は、年に数回行うようですが、当選確率は数百倍、まさに幻のスイーツになっているのです。私が住んでいる松山市にも販売店があるのですが、朝一番に行列ができ、数十分で販売終了です。地元の人間でも中々手に入りません。(都会では当たり前の行列も松山ではあまり見かけませんので行列自体が珍しいことなのです。)

この「霧の森大福」、発売当初から爆発的なヒットを飛ばしていたかというと、1999年の発売から5年程度は鳴かず飛ばずだったと言います。それが2004年から全国放送のテレビ番組で3回程度紹介されてから、人気が火が付いたそうです。それから8年が経過した今も、一過性のブームに終わることなく、商品は売れ続けています。ここから以下のことが分かります。

①商品力があったとしても必ずしもすぐに販売に結びつくものではないこと
②販売にはプロモーションが大切であること(このケースでは、全国ネットのテレビでの紹介)。
③ブームからリピートに繋がるしっかりとした商品の下地があり、準備がなされていることが大切(これがないと一過性で終わる)

霧の森大福の原料である新宮茶は、30年間完全無農薬で育てられています。そのため農薬を散布する方法より、生産性が劣りますが、新宮村の農家は、こだわりを捨てることはありません。また栽培方法の工夫としては、茶摘みの10日前から、黒い布で日光を遮ります。茶葉が光を求めてぐんぐん生育する性質を活かしたこの栽培方法は、抹茶のえぐみや苦みが抑えられ、「霧の森大福」の甘みを演出しています。こうした生産者の徹底したこだわりがストーリとなり、顧客のロイヤルティを高め、リピートへと繋がっているのです。

新宮茶の生産者との連携も密に行われています。栽培にこだわりをもった新宮茶を市場より高値で買い取り、付加価値をつけて販売することで、販売者、生産者お互いがメリットを享受しています。

販売方法にも工夫が見られます。購入できる場所を限定し(愛媛県内2か所)、ネット通販も年間数回しか行いません。倍率は数百倍です。現地を訪問しないと購入できない仕組みになっています。そのため、霧の森大福を購入するために新宮村を訪れる観光客も多数です。希少性を前面に打ち出し、幻のスイーツとしてブランド化しています。

当日は私も行のルートで購入を検討しましたが、冷蔵商品であり、保冷剤を利用しても3~4時間しか保存がきかないため、断念しました。では帰りのルートまで商品が残っているかと言えば、売り切れです。厄介なものです。購入するためには朝一から出かけていき、3~4時間で自宅に帰り、冷蔵保存しなければなりません。またはクール宅急便ですかね。次回は新宮村の観光客誘致についてお話します。

 
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