2回に渡りお話してきましたLCC(ローコスト・キャリア=格安航空)、値段では太刀打ちできないANA、JALなどのレガシーキャリアが「差別化策として何をしているのか」についてみていきたいと思います。
①海外エアラインとの航空連合戦略による乗継利便性の向上
地域間輸送を徹底するLCCに対して、例えばJALでは成田~ボストン線を開設し、アジア地域からの唯一ボストン直行便として、近隣アジア諸国から集客します。
②細かなサービス
例えば、自分の乗りたい便が欠航になったとき、LCCは振替の分が少ないうえに、手続きなどは自分が駆けずり回ってやらなければなりません。レガシーキャリアは便数が多いため、代わりの便もすぐに見つかり、手続きもスタッフがやってくれます。特に様々なリスクを嫌うビジネス客にとっては、レガシーキャリアが頼もしく映るかもしれません。
③マイレージプログラムによる顧客還元策
ポイントを特典航空券に交換するシステムであるマイレージは、LCCにはないレガシーキャリア独自のサービスです。最近では、クレジットの使用額に応じてマイルを付与したり(100円ごとに1マイルなど)、電子マネーとの提携により顧客の囲い込みを図っています。電子マネーはコンビニで普及してきているため、少額決済がマイレージポイントに結びつきます。ANAがEdyとJALがイオン系WAONと提携しています。また鉄道会社(スイカ、パスモ)との提携も進んでいます。
以上のようにLCCにはない高付加価値のサービスを顧客に提供し、差別化を図っています。うまく棲み分けが進んでいくか、今後に注目です。次回はLCCのリスクについてお話したいと思います。
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