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「三光汽船」会社更生法申請の記事に思う

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先日、新聞を読んでいると中規模海運会社の「三光汽船」が会社更生法の適用を申請したという記事が掲載されていました。

三光汽船は外航海上運送事業者として185隻の船を所有し、2008年には売上高2293億円の売り上げを計上していました。しかしながら近年の市況低迷、燃料費の高騰から経営状況が悪化していました。

海運業者が荷主から受け取る用船料は、日々相場により変動しています。近年ではリーマン後の市況低迷により、用船料の大幅な下落が続いていました。加えて用船料の受け取りはドル建てがほとんどです。円高により目減りしてしまいます。

こうした状況下において三光汽船は[事業再生ADR]を申請し、債権者と調整をしていく予定でした。事業再生ADRとは、私的整理手続きの一種であり、当事者間の協議をベースとして合意により紛争を解決する裁判外紛争手続の一類型です。

一方会社更生法とは、裁判所を通じた手続きで、原則として経営者は退任し、一般債権者を巻き込んだ大幅な債権カットが行われます。

本ケースでは、一般債権者に影響が少ない事業再生ADRを活用した私的債権整理を模索したものの、金融機関等の債権者の理解を得るのに時間を要したため、やむを得ず会社更生法を申請したのではないでしょうか。改めて私的再建整理の難しさを感じます。

愛媛県は船主が多く存在し、三光汽船と用船料契約を結んでいた会社もさくさんあると推測されます。連鎖的破綻に繋がらないよう願うばかりです。

企業の設備投資が低迷する中、造船・海運業界は数少ない資金需要旺盛な業界です。各金融機関もこの業界に対しては積極姿勢で臨んでいます。しかしこのような事例が出てくると、銀行の融資姿勢も慎重になるかもしれません。

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