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地元大手書店の資本提携に思う

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先日、新聞を読んでいると愛媛県では大手の明屋書店が、書籍取次大手のトーハンに資本提携を申込み、決定したという記事が出ていました。

明屋書店は、全国に80店舗以上の店舗展開を行い、売上は約250億円、トーハンは売上約5,000億円です。明屋書店の株式を40%譲渡し、トーハンは筆頭株主になるそうです。ちなみにトーハンは「ゲオ」の関係会社です。

資本提携の理由は、「今後の電子書籍の広がりやインターネット書店の躍進に対しての対抗策」ということでした。これにより、明屋書店はトーハンのノウハウを活かした書籍とDVD、ゲームなどを融合した店舗づくりを行うことができ、またトーハンとしても現在8店舗にとどまる明屋書店との連携を80店舗全店に広げるということで、双方がメリットを享受できるということでした。

正直驚きました。こんなにも簡単に株式を譲渡するのかと・・・。株式を40%も譲渡するということは、経営権を手放すということです。地元では圧倒的なシェアをほこる明屋書店でさえ、書店を取り巻く環境変化に、自社ノウハウのみでは対抗することができなくなったということです。創業者ならこんな決断はできにくいですが、現経営者は創業者の孫世代です。

明屋書店は近年、店舗リニューアルをすごいスピードで実行していました。私は書店が好きなのでよくいきますが、県外店舗に比べて明屋書店の店舗づくりに魅力を感じなかったのも事実でした。現在書店は、親が本を選んでいる間、安心して子供を遊ばせるなどアミューズメント機能も必要とされています。店員さんの覇気のなさも気になっていました。書店はサービス業です。楽しい気分で購入したいものですが、店員さんが覇気がなければ、こちらの気分も沈みがちになります。インターナルマーケティング(企業から社員へのマーケティング)が不足しているのかもしれません。

しかしながら、これらの課題も大手の資本が投入され、サービスが融合される中で解消に向かうのではないでしょうか。経営者にとっても経営権を手放すことは苦渋の決断だったでしょう。結果は時間が証明すると思いますが、経営が健全な中で、素早い経営判断をおこなったという点では、勇気ある意思決定といえるのではないでしょうか。本好きの私としては、明屋書店の行く末について、今後興味を持ってみていきたいと思います。

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