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ホテル奥道後の事業再生に思う

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先日、愛媛県松山市のホテル奥道後が、海栄館(愛知県のホテル・旅館運営会社)に譲渡されることが固まったという記事が新聞に掲載されていました。

ホテル奥道後は、今年1月裁判所に民事再生法の適用を申請し、今後の動向が注目されていました。

譲渡金額は約4億円ということです。負債総額が10億円なのですが、その4割が当初入金になるということです。一部は運転資金に回るとしてもほとんどが、負債返済に回されるのではないでしょうか。ただし有担保債権が優先で回収され、無担保債権にはあまり関係ないかもしれませんが。

民事再生をすると無担保債権は、全体の5%~10%までにカットされることが多いです。不動産についても本業に関係する物件は、売却できません。今回債権者(特に担保設定者)にとっては、ありがたいスポンサーの登場ですね。3社がスポンサーとして名乗りを上げたということなので、事業にまだまだ魅力があるという判断でしょう。

今後は、大規模な設備投資を行わず、施設は現状のまま利用し、接客技術などソフト面を改善し、業績向上を目指していくそうです。

再建策や債務弁済率を盛り込んだ再生計画案を5月下旬に提出し、8月下旬の債権者集会の同意を得て、10月から計画実施を見込んでいます。現経営陣の一部にも経営参画を求め、従業員の雇用も維持するそうですよ。

通常、民事再生の場合、経営陣は引き続き残り、経営規模を縮小して再スタートを切ります。債権者としては複雑な思いが残り、信用を回復するには時間を要します。また再スタート後も再破綻の可能性があります。私も再破綻の事例を知っています。しかし本件では、スポンサーが支援に名乗りを上げたということで、そのような懸念は薄らぎますね。

再建の行方について、今後注視していきたいと思います。

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