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経営者は人材流動にどう向き合うか

先日愛媛新聞に、地元愛媛県の2つの地方銀行が「復職制度を始める」と出ており、興味を持って読みました。

「復職」「副業」「転職」、、、。

金融業界でも人材の流動化が本格的に始まったようです。

実は以前のコラムでも、このことに触れていました。

 

【参考(和田経営相談事務所オフィシャルホームページ)】

「経営者は卒業生を大切にしなさい:2021/4/14作成記事」→ https://wada-keiei.com/archives/14672

 

そこで今日は、「中小企業における人材流動化」について考えてみます。

 

退職はネガティブに考えられている

私も12年前に退職して脱サラしましたので分かるのですが、欧米と違い日本では、退職のイメージがあまりよくありません。

12年前の笑い話になります。

中小企業診断士の資格を活用して、経営コンサルタント業を開業した私。

銀行時代にお世話になった顧客に挨拶状を出しました。

御礼の気持ちを伝えるとともに、もちろん「今後よろしくお願いします」との営業の意味もありました。

心配いただいた何人かの経営者から電話をいただきました。

応援の意味で電話いただいた方もいました。

一方、「何かあったら相談に乗るよ」と電話いただいた方もいました。

起業したばかりで何もわからなかった私は、「コンサルのオファーか?」と喜び、浮足立ちました。しかし冷静に考えると、「うちの会社に社員でこないか?」という人材スカウトの電話だったと、今なら分かります。その会社は金融機関OBを積極的に受け入れているからです。

退職しても、「先行き不透明だ」と心配されたのかもしれません。

 

若者は転職サイトに登録している

経営者は、退職をネガティブに捉えています。

いままで、教育投資して、やっと形になってきたのに、「辞めます」ではたまったものではない。

それは当然の気持ちです。

しかし、若手社員の気持ちは違います。

次のステップに進むため、転職サイトに登録しながら、良いオファーの機会をうかがっています。

優秀な社員であればあるほど、そうした意識で働いているのです。

残念ですが、時代は変わったので、経営者自身も現実を直視し、変化していくしかありません。

 

eightには転職のすすめが届く

eight(エイト)という名刺管理ソフトがあります。

とても便利(名刺を探し回る必要がなく生産性が向上)なので、私は重宝しています。

自分のプロフィールを登録するページがあり、随時「最新プロフォールへ更新のおすすめ」メッセージが届きます。

また、転職意向の調査アンケートも来ます。

無料の名刺交換ソフトを提供しながら、人材マッチングで稼ぐビジネスモデルなのでしょう。

一例ですが、このように転職、人材流動化の仕組みはいたるところに張り巡らされ、この動きはますます加速化していきます。

 

人材は流動化すると覚悟する

であれば、できればよい人材には残ってほしいですが、経営者側にも覚悟が必要です。

✔今までは認めていなかった副業を認める

✔副業を応援する

✔独立を支援する

✔そして独立した元社員と提携する

✔優秀な元社員の復職を認める

などの人材制度変更が必要かもしれません。

 

辞めた社員が商品を買う会社

経営者が見逃しがちな視点をお話します。

退職した正社員・パート・アルバイト社員が「引き続き商品やサービスを買いたい会社」になれているかということです。

一番事情を知っている元社員・パートが引き続き商品を買ってくれるかは、実は口コミとして会社の業績に影響が大きいのです。

もちろん、辞めさせかた、辞め方で、もめるもめないは、あると思います。

一部には、こちらが訴えたいような、悪質な問題社員もいると思います。

しかしほとんどの退職社員は、経営者自身で採用を決定し、会社のために働いてくれたはずです。

感謝の気持ちと応援の気持ちで接することが出来れば、辞めた後も引き続き強力な応援団になってくれるものです。

私は実例を知っています。

何十年も前に辞めた学生アルバイトが引き続き通う飲食店。

「あの店は衛生が徹底しているよ、キレイ好きで、食材にもこだわっているよ」。アルバイトの働き手が卒業後店のファンになり、周りに言い続けています。

辞めた社員が応援団となるような経営をしていると、業績アップにも貢献するのです。

辞める社員(問題社員は除く)は、「将来のお客」として大切にしたいものです。

逆のことをしていると、悪い口コミが発生します。

 

社員は社長の鏡

耳の痛い話になるかもしれません。

「うちには良い社員が来ない」とあなたが嘆いているのなら。

社員は、社長を映す鏡です。

社長自身が社員を大切にしていなかったり、採用時のミスマッチングがあったり、経営に油断があったり、、、。

改善ポイントがある可能性があります。

その時は、改善ポイントを把握し、時間をかけて改善していきましょう。

 

「社員が社長をどう見ているか」はこちらの記事(バックナンバー)を参考ください。

 

人材不足には復職制度を

多くの業界で人材不足が問題になっています。

今までは買い手市場であった金融機関でも、現在は人手不足になっています。

そして復職制度・副業容認など、対策を始めました。

大企業のように余裕がない中小企業経営者としては、考えることが多いと思いますが、検討を始めても良い時期かもしれません。

今すぐできることは、

✔社員・パートが辞めるとき、ねぎらいをもって接すること

✔事情が許せばまたいつか働きに来てほしいと伝えておくこと

✔辞めた後も可能な範囲でつながり続けること

だと私は思うのです。

 

編集後記

「人を育てられなかった」と、後悔を口にする経営者は多いです。

大企業の日本電産、ユニクロ、ソフトバンクですら後継者問題に苦しんでいます。

自分でやったほうが早い、確実、楽、、、。

人材流動化が加速している今は特に、問題が複雑化しています。

経営者は雇用環境の変化を認め、やり方を変えていく必要が出てきてるのかもしれません。

 

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