中小企業診断士になるためには、2次試験に合格した後、実務実習を15日間受けなければなりません。チームを組んで企業診断を行うのですが、その実習中、チームに指導員の先生が1名から2名つきます。
その実習中、ある指導員の先生に「クライアントにいくらいい案を提言しても、採り入れていただけなければ、どんなにいい提言でもなんの意味をない。」ということを教えていただきました。その時は、「その通りだな。」とは感じたものの、別段意識していませんでした。
しかしながら、創業して7か月、今この教えを噛みしめています。
その時、指導員の先生はこうも言っていました。「自分が独立してしばらくの間、クライアントに対して、自分としてはいい提言をしているつもりなのだけど、うまく伝わらず、悩んだ。」
私もクライアントと面談して、これは「いいアイデアだ。」と思い、力説しているのだけど、何かクライアントがしっくり理解していないな、と感じることがあります。こんな時、クライアントは「そうですね。わかりました。やってみます。」とは言っていただけるのですが、後日「あの件は進んでいますか。」と確認すると、大体「まだ着手できていません。」という結果になります。
これは、コンサルタントとして、まずい結果です。こちら側とクライアント側では、立場が違い、見えてる風景が違うのかもしれません。
最近ではこのような失敗をしないように、持論を展開するだけではなく、コミュニケーションをとり、クライアントからやりたいことを引き出すように注意しています。
面談の中で、クライアントから、「提言を実行していたら、こんな成果がでてきました。」と言われることがあります。その時は、コンサルとして一番うれしいです。「よかったですね。継続しましょう。」とこちらも笑顔になります。「対応策を実行し、成果が出たことにお互いが喜ぶ。」こうなるとクライアントもモチベーションが向上し、やる気が出てきます。これが「クライアントの心に灯がともる瞬間」のような気がします。
コミュニケーション→対応策決定→実行→成果→クライアントからのフィードバック→成果を喜ぶ→継続
この正の循環が回り始めたとき、いい方向に向かっていきます。ここまで回していくためには、お互いの信頼関係が必要になってきます。特に、クライアントからコンサルへの信頼形成に時間がかかります。信頼形成には提言を実行していただき、それが成果に結びつくことが必要です。
確かに簡単なことではありません。一朝一夕には成果は出てこないケースもあります。しかしながら、何としても成果に結び付けなければなりません。その生みの苦しみを打破して成果が見え始めたときは、嬉しいと同時に、正直ほっとします。
この「クライアントの心に灯がともる瞬間を共有する」これがコンサルの醍醐味ではないでしょうか。
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