前回のお話の続きです。今後銀行の新規融資方針が、現在より積極性を増していくだろうと予想しました。一つ目の理由は、「金融庁の監督方針の改正」というお話をしました。2つ目の理由は、日銀の国債買取です。
2008年のリーマンショック以来、銀行は新規融資に関してどちらかといえばネガティブな姿勢を採ってきました。本来銀行とは、集めてきた預金を運用(融資)することで収益を計上しています。
では今まで飽和がちなマネーを融資に回さず、どこで収益を計上してきたのか。それは国債の運用益です。例えば、3大メガバンクでいうと、現在業務純益(企業で言うところの営業利益)の23%は国債運用益で稼いでいます。2008年以前は約3%でしたから、どれだけ依存しているかが分かると思います。
しかしながらこの動きが、「日銀の国債買取」により変わりそうなのです。新規発行国債の7割を日銀が買い上げる方針を発表したことで、いままでせっせと国債を購入していた銀行は、方針変換をせざるをえません。ではどこに資金を持っていくか?そこで出てくるのが、企業向け新規融資です。
「銀行は今後企業向け新規融資を積極化させますか?」現場の担当者にこの質問をぶつけても、「方針は変わらないと思います」という回答ですが、私は近いうちに「銀行の融資姿勢は積極的になる」そう考えています。
間違っても国債が駄目だから、株式でも買うか、にはなってほしくないと思います。銀行の今後の融資の方針はどうなるのか?そのことについて踏み込んで説明するセミナーを25年10月から開講します。銀行対応力向上セミナー全6回。詳しくは⇒こちら