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2期連続赤字が続くと、銀行員にチェックされる決算書の項目

=== 銀行への決算報告の際の経営者の気持ち ===

銀行から融資を受けていると、決算書が完成した際、写しの提出を求められます。

前年より業績が良ければ、「社長、前期は好調だったんですね。」とか言われます。取引銀行の支店長からそう言われれば、経営者としては、1年の通知表が評価されたことに嬉しい気持ちになり、頬が緩むでしょう。

逆に、決算数値が悪ければ、「どんなことを言われるのか」、「評価が低くなり融資が難しくなるのではないか」、不安な気持ちで決算書を提出されるのではないでしょうか。

=== 営業利益が2期連続赤字は、特に警戒される ===

基本的に業績が良い企業に対しては、銀行員は決算内容についてあまり、質問してきません。「融資元金の返済が安泰」と感じているからです。

しかし、決算書を確認して業績が悪化したと判断した場合、決算書の内容について、色々なことをヒアリングしてきます。

銀行員が決算書について、厳しくヒアリングしてくる目安の一つは、「2期連続営業利益の赤字が続いた場合」です。

なぜ営業利益の赤字かというと、

たとえ当期利益(損益計算書の一番下)が赤字でも、もしもその原因が、以下のような科目によるものだったとしたら、

固定資産売却とか除却、不良債権の償却、有価証券の売却損など。

これらの特別損失は一過性(その期だけたまたま、来期は改善する)だと判断するからです。

しかし、営業利益が赤字となれば、「本業が厳しくなっている」と警戒します。

なぜ、2期連続赤字かというと、

1期の赤字が発生しても、次の期に黒字になれば、手を打って改善できていると判断するからです。

しかし、2期赤字が続くと、恒常的にこの融資先は赤字体質になってしまったのではないか、と警戒します。

=== 銀行員の態度の変化に戸惑う経営者 ===

そうなった場合、今まで聞かれたこともなかった、決算書の細かな科目まで、ヒアリングが開始されます。

経営者の中では、今まで気さくで優しかった銀行員の態度の変化に戸惑い、「そこまで聞かなくても」と、少し不満が出てきます。同時に融資に対する姿勢も厳しくなります。

では、どのような決算書の項目について、聞かれるのでしょうか?実際はもう少し多岐に渡るのですが(隅から隅まで)、今日は3点お話ししますね。

=== 役員や親族に関係する科目 ===

まず聞かれやすいのが、役員や親族に関する項目です。

具体的には、役員報酬とか、親族への地代家賃の支払い状況です。

その意図は、口には出しませんが、「赤字が続いているのに、役員報酬が多すぎませんか?」だったり、「親族への地代家賃支払いは、黒字になるまで待てないのですか?」だったりします。

=== 営業活動に関する科目 ===

2つ目は、接待交際費や旅費交通費、広告宣伝費など、営業活動に関する経費です。

その意図は、口には出しませんが、「これらの経費は削減できないのですか?」です。

経営していると、得意先への接待費は必要ですし、取引を紹介してくれた人へのお礼などは、大切な営業活動です。営業活動のための出張も必要です。

しかし、銀行員は業績が悪化した場合は、「一般費および販売管理費」のこうした経費を、「本当にその額必要なの?」「削減するべきではないのか?」、と考える傾向にあります。

そして、「利益を出して、融資金の返済財源を確保してもらわないと困る」、と感じています。

=== 固定資産の増減には、敏感に反応する ===

3つ目は、固定資産勘定の増減です。

固定資産には、土地や建物、機械設備、車両運搬具、器具備品、などがあります。機械設備などは、事業を継続していくための前向きな設備であれば、理解してくれます。

口には出さないかもしれませんが、見ているのは車両運搬具です。早く言えば、高級車やクルーザーなど、です。

もし、業績が悪化している局面(例えば、2期連続の営業利益赤字や、リスケジュールの期間中)で、経営者が高級車などを購入していた場合、銀行員はあまり良い気がしません。この経営者は、今後付き合いしても大丈夫だろうか、と不安に思っています。

「リースを組んで税金対策」との経営判断であっても、銀行員はそのようには理解してくれません。

=== 業績が厳しいときは我慢も必要? ===

以上、業績悪化局面において、「銀行員が注目する決算書の科目」についてお話ししました。

業績悪化局面においては、私情をなるべく廃し、「いかにして会社を立て直すのか」、「そのためには何を優先順位にすれば良いのか」を、適切に判断し正確に実行していく姿勢が、経営者には求められます。

人間は弱いものですから、「いい想いをしたい」「他人に良く見られたい」「つらいから現実逃避したい」と、誘惑に負けそうになります。しかし状況によっては、我慢が必要な時がある気がします。

私自身も、経営者の一人として、常日頃から心しておきたいものです。

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