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銀行員とノルマの関係

~ノルマが原因で問題融資~

多くの会社にノルマがあるように、銀行員もノルマを抱えています。

政府系金融機関にもノルマがあります。

記憶に新しい、商工中金の不正融資問題。

原因は、各店舗に割り当てられた「危機対応融資」の獲得目標(ノルマ)にあると言われています。

~民間銀行営業担当者のノルマは、政府系の比じゃない!~

政府系でもあるのですから、上場企業である民間銀行の営業担当者は、多くのノルマを抱えて活動しています。第一線の営業担当者各々のノルマ獲得の積み上げが、銀行全体の収益になるのです。

預金残高、融資残高、保証協会付融資、新規融資先開拓、給与振込口座、年金受取口座、NISA口座、カードローン口座、住宅ローン(アパートローン含む)、消費性ローン、投資信託獲得額、生命保険獲得額、クレジットカード、公共料金引き落とし、確定拠出型年金・・・。などなど。上げればきりがありません。

こんなに多くの目標を抱えて活動している営業担当者。どうしても優先事項は、顧客のことより、「いかに自分のノルマを獲得するか」になってしまいます。

~銀行に評価される営業担当者とは~

そして、銀行内部での評価(特に営業担当者の場合)は、「いかに顧客のために貢献したか」より、「いかにノルマ達成により銀行利益に貢献できたか」に比重が置かれるのです。結果、数字に強い人間が出世していきます。

「顧客にいかに貢献したか」は、数字に見えません。例えば顧客企業に、販売強化の有益な助言をしたり、資金繰り改善のため資金繰り表作成の手ほどきをしたり、会社の経営課題について意見交換したり・・・。経営者に喜ばれるこれらの支援は、目に見えません。逆に上司からは、「お金にならないこと時間をかけ、何をしているんだ!」と睨まれかねません。

一方、各ノルマの獲得は、目に見えます。特に最近では、手数料収入の獲得が評価されます。投資信託や生命保険の獲得などです。獲得金額の何%かが、即日獲得手数料として、実績計上されます。例えば500万円の獲得で、手数料が3%なら、15万円の利益です。営業担当者も、「この仕事ではいくら利益を上げることができた」と、目に見えて自分の仕事が確認できるため、モチベーションが上がります。

こうして現場は、法令ぎりぎりのラインで、高齢者に必要の無いリスク商品を売り込んだり、頻繁に売買を繰り返させて手数料を稼いだり、して全国で問題になっています。銀行員は信用があるので、「銀行さんが言うことなら」と、特に高齢者はセールスに対して、首を縦に振るのです。そして虎の子の老後資金を毀損させることになります。

~顧客より、銀行内部の利益重視。誰が悪いの??~

金融庁も問題視し、「顧客本位の業務運営」をするように、全国の銀行に対して指導しています。

これは、現場の銀行営業担当者が悪いのではありません。組織の意向に逆らい、販売しなければ、自分が干されてしまいます。「顧客が不利になるような営業活動をしてはならない」。社会常識に照らして考えれば、簡単に分かることです。しかし、組織の論理に飲み込まれます。「自分たちは、これで稼いで給料をもらっている」。上司からも言われます。「利益が飯の種だろ!目標を必達せよ!」。こうして感覚が麻痺します。

原因は、「手数料を無理に稼がなければ成り立たない銀行のビジネスモデル」にあります。オーバーバンキング(銀行の数が多いこと)と、銀行員の過剰(給与を払うために無理をしないといけない)により、ビジネスモデルに無理が出ているのです。銀行員が顧客ニーズに反して無理に商品を売らねばならない。過去に先輩銀行員が蓄積してきた信用を切り刻みながら、顧客を犠牲にして短期利益を積み上げている。こんなことが、いつまでも続くわけがありません。

~気づき始めた顧客と一部の銀行~

顧客は感じ始めました。「この銀行と取引していても損させられる」。すると顧客は、異業種から参入した銀行や無理な提案をしてこない政府系金融機関に流れていきます。結局銀行は、自分自身の首を絞めることになります。

これはまずい!と気づいて、方針転換を始めた銀行もあります。銀行内部重視から顧客重視に発想を転換しています。「顧客のためにどれだけ貢献したか」、を業績評価基準に大きく組み込むことにしました。

銀行員とノルマ。切っても切り離せない関係でしたが、見直す時期にきています。銀行は『金融サービス業』なのです。顧客をおろそかにしては、事業継続が難しくなります。

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