お問合せ

決算書が資産超過でも安心できないわけ

~債務超過と資産超過~

東芝が債務超過になる、というニュースが流れている。

債務超過とは、決算書の貸借対照表の純資産(資本金+会社設立からの利益の蓄積)の部分が、マイナスになることだ。

貸借対照表は、左側に「資産の部」、右側に「負債の部」と「純資産の部」で構成されている。必ず、右側合計金額と左側合計金額が一致するようになっている。

であるから、①資産の部=負債の部+純資産の部 ②資産の部-負債の部=純資産の部 の算式が成立する。

「純資産の部」がマイナスであると、資産より負債の方が大きいということで、「純資産の部」がプラスであると、資産の方が負債のより大きい、ということだ。

もし仮に今の時点で、事業をやめようとしても、資産より負債が大きければやめられない。(資産をすべて処分しても負債が残るから)。

債務超過とは、そういう状態のことで、非常にまずい。もちろん債務超過でも、取引金融機関から融資を受けたり自己資金を取り崩したりして、資金調達が可能なら、事業を続けることができるが、よろしくはない。東芝は今そういう状態なのだ。

~資産超過でもまずい場合~

では、決算書が資産超過なら問題ないのか、と言えばそうでもないことがある。

右側の純資産の部に、1億円の金額が記載されているとする。

見ておきたいのは、その1億円が、「左側の資産の部のどの部分に振り替わっているか」だ。

例えば、在庫として資産の部に2億円記載されているが、そのうち5,000万円は市場価値のない陳腐化在庫だという場合。純資産5,000万円は減価し、実質純資産は5,000万円となる。(純資産の部は5,000万円減少する)。

資産の部に3億円が土地勘定で計上されているが、バブル時代に購入した土地であり、現在の相場が半値になっている。このケースは、純資産の1億円は吹き飛ぶ。(純資産の部は15,000万円減少し、実質は債務超過といえる)。

資産の部に、回収不能な売掛金、使途不明な仮払金、貸付金、未収入金などがあった場合も同様。(上記いずれの場合も、中小企業は決算書を修正する必要はないが、実質はこのような状態という意味)。

~大切なのは実態をつかんでおくこと~

大事なのは、純資産が資産の部のどこに振り替わっているのか、ということ。

資産の部がプラスだからと言って、必ず安心できるわけではないのだ。

《記事のまとめ》
・債務超過とは、純資産の部がマイナスのことで、会社清算をした際、負債が残る良くない状態である
・資産超過とは、純資産がプラスのことであるが、資産の部に陳腐化・回収不能な資産が多額にある場合は、良い状態にあるとはいえない
・純資産が、資産のどの部分に振り替わっているか把握し、会社の実態をつかんでおくことは大切である

【この記事書いたのはこんな人】プロフィール
【関連記事】
決算書の自己資本比率を見るときに気をつけておきたいこと
銀行は粉飾決算をどうやって見抜いているか
決算書にでてこない資産の価値

「決算書が資産超過でも安心できないわけ 」
ご覧いただきありがとうございました。

 
にほんブログ村 経営ブログ コンサルタントへ にほんブログ村←ランキング参加中。参考になったら、ぽちっとお願いします。
関連タグ:タグ: , , ,

「コンサルのちょっといい話」 関連の記事一覧

 
ページトップ