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コンサルの本音話①~信用という言葉の本当の意味~

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~知っていることと、体験して分かることの違い~

これから春に向けて、中小企業診断士の資格を使って、コンサルタントとして独立準備を進めている方もいるだろう。

中小企業診断士の資格を取得することは、確かに難しく、その勉強で頑張った過程は、将来かならず何かの形で役立つと思う。

しかしながら一方で、プロコンサルタントとして生計を立てていくつもりなら、目の前に顧客を連れてくる必要がある。そしてお金を払ってもらうサービスを提供しなければならない。資格取得だけでは食っていけない現実もあるのだ。

資格に合格したときは、気持ちが高揚し、この部分を明確に意識しないまま、プロコンとして独立してしまうことがある。白状すると6年前、私もそういうところがあった。今振り返ると、危なっかしい。

コンサルタントで独立した際、先輩に「コンサルタントでやっていくために必要なことは何ですか?」と質問した。

業界で成功しているその先輩は、こう答えた。「それは信用である。」

その時、もう少しコンサル的な回答を期待していた私は、平凡な話に「そんなことか」と、正直がっかりした。

しかしそれから6年経過した今、この言葉の重要性が、身にしみて分かる。

知識として知っていることと、体験して分かることは、大きく違う。

勉強して知識を仕入れても、残念ながらそれだけでは実務では通用しない。

~信用を得るためには時間がかかる~

私も当時は、銀行員時代のネットワークを当てにしていた。しかし、独立して3年ぐらいは銀行員時代のつながりには、まったく相手にされなかった。銀行員としては親しくしてくれても、退職し銀行員の看板を下ろした一個人としては、特にコンサルタントは、警戒されるだけだった。

だから、我慢して自分の力をつけること、発注いただいた仕事に全力で取り組むこと、を心がけた。

すると時間の経過に伴い、だんだん依頼が増えてきて、今では銀行員時代の知り合いからも、声がかかるようになった。最初は皆、様子を見ている。冷たいと感じるかもしれないが、これが現実。当たり前のこと。自分だって逆の立場ではそうするはずだ。

そして声がかかることが増えるにつれ、これが「信用がついたこと」だと理解できた。実績もないのに、知識だけ振りかざしても、受注にはつながらない。実績の無いコンサルに、誰が仕事を依頼するだろうか。

~先ずは実績が必要な理由~

先ずは実績。雑用からでも安い金額でも、ファーストステージでは、積極的に仕事を引き受ける。そして、その仕事を確実にやり遂げ(発注者の想像を超える品質で)る。その積み重ねで、信用はついてくる。

実績と信用がついてくれば、依頼も増え、こうなってくると始めて、自分が引き受けたい仕事を選んでいけるようになる。それまでは我慢が必要だ。

コンサルとして軌道に乗っていくためには、こうした積み重ねをして、人によって違いはあるが、3年程度は時間が必要となる。その間、精神的にも、資金的にも厳しいのだ。

【参考記事】
コンサルの本音話②~リピートにつなげる方法~
地方で中小企業診断士として食っていくと決めた5年間の備忘録①~準備と決断~
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