先日、喪中の葉書が来ていた。
その葉書で、銀行時代から年賀状のやりとりをしていた方が亡くなったことを知った。その方の親族からの喪中葉書だった。
もう20年近く前になる。
私は20代の頃、銀行の県外支店の外回りの営業担当をしていた。集金先として毎日訪問していた先の経理のおばちゃんだった。私の親世代の方だ。いつも訪問するとお金を数え集金して、少し会話を交わすお付き合いだった。
不思議なことに私が転勤し、そして銀行を退職してからも、年賀状のやりとりは続いた。利害関係は全くないし、転勤してから10数年、お会いしてもいない。しかし年賀状のやりとりは途絶えなかった。その方がマメに送っていただいたからだ。
いつも年賀状には、手書きでコメントが書かれたいた。その方は、あることで紆余曲折があったようで、時にはつらい胸の内を書かれていることもあった。転勤後は、親しくしているわけでもなかったので、その時は不思議に感じた。
銀行を退職し、自分の道を歩き始めた私に、親近感を持っていただいたのだろうか。それとも利害関係もなく、遠方で会うこともないから胸の内を書きやすかったのだろうか。今考えると色々思う。
近年は、前向きなコメントが多かったように思う。しかし、昨年は初めてコメントがなかった。すでに体調を崩されていたのだろうか。
葉書を見て、昔を思い出した。その方の優しい笑顔も思い出した。時間の経過も感じる。今年から年賀状が来ないのかと思うと、寂しくもなる。
ご冥福をお祈りいたします。