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補助金に関して銀行融資を受けるときの注意点 ~失敗しない融資の受け方~

この記事のポイントは以下の通りです。

☑ 補助金は、採択された際に入金までタイムラグがあり、現金の出入りは、まずマイナスになる。そのため、立替資金が必要になる

☑ 立替資金には銀行融資が活用されるが、その際の借り方は、長期借入金より短期借入金が望ましい

詳しく見ていきましょう。

 

補助金は安易に取り組むと危険!

ものづくり補助金、小規模事業者持続化補助金の募集が開始されました。要綱をよく読み、自社の事業展開に合致しそうなら、有効活用するのも良いかもしれません。

さて、補助金ですが、「もらえるものは、もらっておかないと損だ!」と、安易に取り組んでしまうと、思わぬ失敗にはまってしまいます。

色々な失敗のパターン(以前の記事「補助金を活用するときの注意点」参照)があるのですが、今回は資金調達に関して、お話ししてみたいと思います。

 

補助事業期間は、立替資金が必要

補助金は、競争的資金で有り、手を挙げると必ず事業プランが採択になるわけではありません。他社との競争を勝ち抜き、事業プランが認められて補助金がもらえます。

そして事業プランが認められると、すぐに補助金が口座に入金になるわけではありません。お金が口座に入金されるのは、申請したプラン通りに事業を実施し、事業期間(数ヶ月から1年程度が多い)が終了した後です。後払い、「精算払い」です。

その間、補助事業に関する資金を自社で立て替える必要があります。キャッシュフローで言うと、先ずはマイナスから入ります。

 

せっかく補助事業に通ったのに、不満??

この部分を勘違いしていると、なんか損したような気分になります。コンサルタントに申請書作成を丸投げしていると、うまく書類は作ってくれ、採択になったりしますが、自分自身この部分の理解が不足していたりします。

 

立替資金調達としての銀行融資

立て替え資金の調達には、自己資金と銀行からの融資があります。銀行融資についてお話しします。

 

例えば、900万円の補助事業に採択になれば、事業期間内に900万円の資金が必要です。補助率が2/3(600万円)だとすれば、1/3(300万円)は持ち出しです。1/3自己資金が用意できれば良いですが、この1/3を銀行融資に頼ることもあるでしょう。

 

このとき補助事業の立て替え資金を、用意する場合、事業開始の時期に以下のような融資を受ける方法があります。

① 900万円を長期融資(5年返済など)で借りる。借りたお金は、5年かけて毎月返済していく。

② 900万円を短期融資(手形貸付など)で借りる。600万円は補助金入金で返済し、残り300万円は運転資金の中から一括で返済する。

③ 600万円を短期融資で、300万円を長期融資で借りる。短期融資の600万円は、補助金が入金になった時に返済し、残り長期融資300万円は、毎月分割返済する。

④ 600万円を短期融資で借りて、300万円を自己資金で用意する。短期融資の600万円は、補助金が入金になった時に返済する。

⑤ 融資無しで、全額自己資金を用意する。

 

③や④は、特段問題ないと思います。⑤は言うまでもなく最高です。

 

銀行融資の受け方を間違えると、思わぬリスクが

注意が必要なのは、①や②の融資の受け方です。②は300万円の返済を運転資金の中から捻出しないといけないので、資金繰りが忙しくなります。①の場合は、長期借入金の本数が増え、返済負担が以前より大きくなります。

 

補助事業を実施することで、利益をどんどん捻出してくれれば良いのですが、得てして新規投資は、資金化するのに時間を要する傾向があります。

 

また気をつけないといけないのは、上記の例で言えば、600万円採択されたから、無条件で600万円口座に入金されるわけではない、と言うことです。

 

事業プラン通りに投資や活動を実施したことを行政が確認して始めて、補助金は満額支給されるのです。できていなければ減額されたり、取り消されたりします。

 

銀行は、補助金に採択になれば、融資してくれやすくなります。融資の返済原資が補助金のため確実性が高いですし、採択された事業は、選ばれたプランだから、将来性も魅力的だと判断するからです。

 

しかしリスクを負うのは、企業です。補助金に採択された場合の銀行融資には、慎重な選択が必要となるのです。

 

もちろん、不要な融資を受ける必要はありません。こちらの記事で「融資の断り方」を説明していますので、併せてご参考ください。☟

【参考記事】銀行からの融資提案の上手な断り方 ~財務悪化防止のため有効な断り文句~

 

 

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