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金融庁の金融仲介機能ベンチマーク発表をうけて、地域金融機関はどう動くか

~金融仲介機能ベンチマークとは~

金融庁は、平成28年9月15日に、金融機関における金融仲介機能の発揮状況を客観的に評価できる多様な指標「金融仲介機能のベンチマーク」(以下ベンチマーク)を発表しました。

このベンチマークは、金融庁職員が多くの中小企業を訪問面談し、経営者の声を拾っていったものを、有識者会議の意見も踏まえながら、まとめ上げたものです。

今後の金融検査では、このベンチマークについて、地域金融機関の自己評価が、検査官との間で意見交換されます。加えて地域金融機関は、企業経営者が取引金融機関を選ぶための選択肢として、ベンチマークを公表する動きを求められそうです。

~5項目の共通ベンチマークと50項目の選択ベンチマーク~

金融庁の発表資料によると、ベンチマークは、5項目の共通ベンチマークと50項目の選択ベンチマークから形成されています。詳しくは上記リンク(金融庁の報道資料をクリック)を確認いただくとして、今回は共通ベンチマークについて見てみたいと思います。5つの共通ベンチマークは以下の通りとなっています。

1. 金融機関がメインバンク(融資残高1位)として取引を行っている企業のうち、経営指標(売上・営業利益率・労働生産性等)の改善や就業者数の増加が見られた先数(先数はグループベース。以下断りがなければ同じ)、及び、同先に対する融資額の推移
2. 金融機関が貸付条件の変更を行っている中小企業の経営改善計画の進捗状況
3. 金融機関が関与した創業、第二創業の件数
4. ライフステージ別の与信先数、及び、融資額(先数単体ベース)
5. 金融機関が事業性評価に基づく融資を行っている与信先数及び融資額、及び、全与信先数及び融資額に占める割合(先数単体ベース)

これらの項目を集計し、自己評価・公表する必要が出てくるのです。

~今後の金融機関の動きを予測する~

個人的に興味を引いたのが、2. 3. 5. の項目。

この金融行政の動きから考えると、地域金融機関は以下のような動きを強化すると予想します。

①自行が関わっている条件変更(リスケ)先について、経営改善計画策定の件数を増やす。(ただし、生き残れると判断したリスケ先に対して)。
②創業融資や創業補助金の申請支援を強化する。そのために、自行で創業セミナーを開催したり、行政と連携した創業支援を強化する。
③担保や保証に過度に依存しない「事業性評価融資」の融資件数を増やす。そのために各行がプロバーの「事業性評価融資制度」を作る。(一方経営者は、自社の財務指標に出ない企業価値や経営課題を正確に把握し、金融機関に説明できる状態にしておくことが望ましい)。
④金融機関は、融資先の財務指標の理解に加えて、事業内容の理解に努めようとする。そのためビジネス資格取得挑戦者が増加する。(中小企業診断士挑戦も増えるかも?)。
⑤それでも組織内のマンパワーは不足するため、外部専門家との連携が増加する。各種専門家の間で金融機関との連携機運が高まる。

以上勝手に予想してみましたが、多少時間はかかってもこのような方向に進んでいくと思います。

金融機関は、保守的でなかなか新しい取り組みが浸透しづらい面がある一方、他金融機関が取り組み始めると一気に広がる傾向があるので。いずれにしろ、早く気づき、上辺だけでなく本気で取り組まないと、先行者との距離が広がるでしょう。現場にどれだけ意識が浸透するか、各金融機関の企業風土(革新的か、迅速か、または保守的か、など)も関係しそうです。

《記事のまとめ》
・金融庁は、銀行の金融仲介機能ベンチマークに関する取り組みを注視している
・今後銀行は、ベンチマークを意識した動きを強化していくと考えられる
・銀行によって取り組みに差が出ている。この取り組みを、いかに現場行員に早く浸透させるかが、カギを握る

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