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「やめる」という経営判断

20数年間、中小企業経営者と接してきて、つくづく感じるのは、やめ際の難しさ。判断ミスや事業への執着により、傷口を広げるケースを見聞してきた。気持ちは分かる。

始めるより難しい、やめること。事業をやめる、商品をやめる、役職を辞す、経営をやめる・・・。どうして、こうもやめることは難しいのだろうと感じていた。メディアハウス社の「賢いやめ方」という本を読んでみた。

この本によると、人間には「埋没費用の誤り」という感情がある。簡単にいうと、「せっせと時間や精力を注ぎこんできたことは、なかなかやめられない」ということである。パチンコで、もう少し打てば、出るかもしれない。ここまで資金投入したのに。もう少しでフィーバーするはずだ・・・。結果、損失額を増やしてしまう、というあれだ。

人間関係や恋愛、仕事、いろいろな事に当てはまる。もちろん経営にも当てはまるだろう。もう少し頑張れば、成功するかもしれない。基準がないので、ズルズルといってしまい、損失額を大きくする。周りが「もうやめれば」と言えば言うほど、本人は意固地になる。

こうした心情や行動は、脳科学で説明できるらしい。

「賢いやめ方」をするためには、新しく熱中できることに取り組むこと。とこの本は言う。

私が思うに、まず基準を作っておくことが大切ではないかと思う。例えば、利益が〇年経過してもでなかったらとか、役員報酬が〇年たっても払えるようにならなかったらとか、借入金が〇円まで膨らんだらとか・・・。

後ろ向きかもしれないが、起業する際や新規事業を立ち上げる際に、撤退する基準を決めておく。そうすると、客観的に判断できるのではないか。

人間は自分のことを、平均より優秀であるとか、平均より分別がある、と考える傾向があるそうだ。それが決断を遅らせる。最初に決めておくことで、「賢いやめ方」ができるかもしれない。

個人的には、①営業利益の赤字が、連続で続いたり(規模や事業内容によるが、2~3年で危険信号)、②自分の役員報酬が何年ももらえなかったり(自分の生活を過度に犠牲にして事業を行っている)、③運転資金借りれが増加していったり(赤字を借入金で補てんしている可能性あり)、のような状態になれば検討してみた方が良いと思う。(もちろん、やめたくても資金の制約とか、借入金が残るため、やめられない、という場合もあるが)。

顧客が増えているとか、顧客から喜びの声が上がっているとか、売上が上がっている、などの場合は、上記のような悪い現象が隠れてしまう場合がある(もしくは自分が目をつぶる)ので、注意が必要だ。事業を継続していくためには、利益がでてこないと難しいので。

つらいことだが、現実を見つめることだ。そのためには、最初に撤退基準を決めておくのも、一つの方法だ。傷が浅ければ、軌道修正もきく。

「やめる」という経営判断は、つらいし、難しい。

「「やめる」という経営判断 」
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