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民法改正による個人保証への影響について考えてみる

8年間におよぶ議論の末、120年ぶりの民法改正の概要が見えてきた。

私が興味をもっているのは、「銀行融資の個人保証の取り扱い」だ。

当ブログでも、何回かお話してきたが、個人保証制度は、縮小の方向で進んできた。その流れが民法改正で停滞するかもしれない。まず最近の「個人保証」に関する一覧の流れを振り返ってみよう。

①2006年3月 中小企業庁が信用保証制度における第三者保証制度を原則禁止

②2011年7月 金融機関が原則第三者保証を求めないようにするよう監督方針を改正

③2013年2月 『経営者保証に関するガイドライン』を定め、「法人、個人が分離されている等、条件が満たされる場合には、経営者保証を求めないことを金融機関は検討する」と公表

そして、今回の民法改正においては、当初「保証人の原則禁止」という方向で議論が進んでいた。しかしながら、結果的には、『個人保証は一部制限』の内容に落ち着いたようだ。

一部制限とは、①公正証書に保証人となる意思を残せば、例外として第三者保証を認める、②経営者の配偶者(事業に従事)、法人の取締役、過半数の議決権を持つ株主、は保証制限の対象外、という内容のようだ。

先程、「個人保証を巡る今までの流れ(個人保証負担の減少)が停滞するかもしれない」と言ったのは、以下の観点からだ。

①第三者でも、公証人役場で保証意思確認の証明書をとれば、保証人になれる

②保証制限の対象外の人物が特定された(経営者、経営者の配偶者(事業に従事)、取締役、過半数の株主)

結果として、従来から金融機関が採用してきた保証人徴求の方法と個人保証重視方針が、あまり変化しないだろうと推測できる。実際の融資現場では、基本的に今までと同じ運用であり、大きな混乱は見られないと思う。(ただし、第三者保証の場合、公証人役場で証明をとる事務負担が増えるが)。

個人的に気になる点は、ある。「経営者保証に関するガイドライン」との関係だ。ガイドラインが、経営者保証の負担軽減を謳っているのに対して、今回の民法改正は、むしろ個人保証にお墨付きを与えているように感じ、矛盾点があると思うからだ。

業績の厳しくなった企業は、追加融資を受ける際に、保証人徴求が厳しくなる。一方、業績の良い企業は、他銀行との競争原理(融資条件を緩和して、融資先を奪い合う)から、保証人を減らしていく動きが、出てくる。この流れが、加速化していくかもしれない。

「民法改正による個人保証への影響について考えてみる 」
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