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ブラック企業論争に思う

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最近「ブラック企業論争」が盛んです。政府も「離職率の高い企業」を公表するそうです。

新卒の離職率が高まっていますでもお話しましたが、今は大卒新卒者の3人に1人が、3年以内に離職する時代です。このことと、ブラック企業問題とは、密接にかかわっていると言われています。

ブラック企業とは、サービス残業や長時間労働など、従業員に過度の負担をかける企業です。確かにサービス残業や長時間労働は、法令順守の観点から言えば、正しくないことです。しかしそのことを糾弾するだけでは、問題解決にはなりません。「なぜ企業はそうしなければならないのか」の原因を突き止め、解決策を考えなければなりません。

例えば、私がかつて所属していた金融業界は、「サービス残業」と関係の深い業界です。私は組織に所属しながら、なぜこんなにも長時間労働しなければならないのか、いつも考えていました。

私なりに導き出した結論は、「銀行の数が多いから」と「銀行員の数が多いから」でした。

まず「銀行の数が多いから」。

四国地方でも、地方銀行が4行、第2地方銀行が4行、その他都銀、県外の地方銀行、信用金庫、政府系金融、その数とても数えきれません。銀行数が多いということは、競合が多いということ。そのため、取引先を他銀行から守るために、莫大な労力を要しました。また顧客側からすると、銀行はたくさんあるため、いい提案を持ってくる銀行と取引すればいいういうことです。一定程度の優良企業であれば、完全な買い手市場。競合が多いということは、銀行側からすれば、1件当たりの仕事をとるための労力が増加するということです。

次に、「銀行員の数が多いから」。

銀行員の数が多いと、本部機構などが大きくなります。本部は存在意義を出すため、様々な仕事を作り出します。また、多くの銀行員を養うための原資となる「収益」が必要なため、仕事をとるために色々な無理をします。例えば訪問件数を増やすとか、色々な商品を顧客に提案するとか、です。

以上のようなことが複合的に交わり、業務の時間を増大させ、結果として「長時間労働が恒常化される業界体質」が出来上がったのです。

こうした業界体質を改善するには、一つの手段として、信用組合の差別化戦略でお話しましたが、選択と集中が必要です。無駄な業務を省かなければなりません。

そして、頭にいれておかないといけないのは、ブラック企業問題は、突き詰めていくと、自分たちに跳ね返ってくる側面もある、ということです。

①無駄な業務を省く⇒仕事量が減る⇒必要人員が減る

②業務時間が減る⇒残業代が減る⇒収入が減る

③働く時間が減る⇒限られた時間の中で成果を上げなければならない⇒プレッシャーはきつくなる

上記のように、ブラック企業問題解決の過程では、経営側だけではなく、従業員側にも責任を求められるのです。そうした複雑な事情があるがゆえに、行政指導で単純に解決するものではなく、様々な工夫が必要になります。

例として、かつて私が所属していた金融業界の話をしましたが、こうした長時間労働、サービス残業の問題は、他の多くの業界でもある話なのです。

 

「ブラック企業論争に思う 」
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