経営者の高齢化が進む中小企業にとって懸案の一つが、後継者への事業継承です。
事業継承税制は制度適用から4年目ですが、「手続きが煩雑で使い勝手が悪い」「納税猶予基準が厳しい」といった指摘があります。
事業継承税制は、後継者の相続税額のうち、非上場株式などの80%に相当する相続税の納税を猶予する仕組みです。後継者が死亡した場合、猶予されていた税は全額免除されます。しかしながら利用実績は4年間で549件に留まります。中小企業からよく分からない、要件が厳しく利用が難しい、といった声が多いのです。
実際認定を受けるのには複数のハードルがあります。1つは雇用要件。事業継承から5年間は常に従業員の8割の雇用を維持しなければなりません。要件を満たせなくなると猶予納税の全額を納付する必要があります。
また後継者を親族に限定していることもハードルになっています。後継者難の現状を考慮すると、今後は親族以外への適用も求められます。また現行制度では、継承後に先代経営者は役員に就けません。その他後継者は死亡時まで株式を保有しないと猶予納税が免除されないなど、経営の自由度が阻害されています。こんなに規制をかけると利用がなかなか進まないのもうなずけます。
選挙後に生まれる新政権には、「事業承継税制の見直しを通じて、中小企業のスムーズな事業承継の土壌を作ること」、が望まれています。
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