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アパート経営の金融リスク④

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アパート経営の金融リスク今回が最終回です。第4回目の今日は、賃貸アパートを建設することがなぜ相続税対策に繋がるのかについて、お話してみたいと思います。

アパート建設メーカーが、土地所有者にアパート建設を提案するときのセールストークに「相続税対策になりますよ。」というものがあります。

どういうことでしょうか。具体例を挙げて説明したいと思います。(本来は色々な条件がありますが、簡易的に説明します)

例えば高齢になったAさんが、土地と現金を保有しているとします。分かりやすく説明するため、財産は土地の路線価評価が120百万円、現金が80百万円合計200百万円とします。仮に相続が発生した場合、相続税の基礎になる評価額は200百万円です。ここから基礎控除やその他の控除が差し引かれ課税標準が決定されます。この金額であれば、おそらく相続税は発生します。

この財産を活用して生前に150百万円でアパートを建設するとします。自己資金として現金のうち50百万円、アパートローンを100百万円。まず土地の評価が下がります。そして建物価格も下がります。

120百万円×【1-70%(借地権割合)×30%(借家権割合)】=120百万円×0.79=108百万円・・・土地評価
150百万円×0.7(固定資産評価額は建築費の0.7程度)×【1-70%(借地権割合)×30%(借家権割合)】=105百万円×0.79=約83百万円・・・建物評価
*借地権割合、借家権割合は地域によって違いが出ます。

108+83=191百万円・・・賃貸アパート評価  191-100(アパートローン=債務控除)=91  91+30(現預金余り)=121  課税標準121百万円

以上のように対策を打つ前は200百万円だった評価額が、建物を建設して財産が増加したにも関わらず、79百万円(200-121=79)減少するのです。これにより相続税を圧縮することが可能になります。

ただしこの対策はメリットばかりではありません。今までお話してきたように家賃が減額され、アパートローンが払えなくなるリスクがあります。私は賃貸アパート建設は相続税対策としてのメリットより、「いかに継続的なキャッシュフローを計上していくことができるか」ということが大切だと思います。

賃貸アパート経営に乗り出す際には、サブリース業者の提案や市場調査を鵜呑みにせず、自身の判断基準をしっかり持つことが必要ではないでしょうか。以上全4回に渡り、「アパート経営の金融リスク」についてお話してきました。今後のアパート経営にお役立ていただけますと幸いです。

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