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長期借入金の途中返済と巻き替え。何が起こるか。

=== 長期借入金の中途返済を迷う時 ===

長期借入金。5年返済、7年返済、10年返済など。

設備資金で使う時もありますし、運転資金として使用することもあります。

銀行から融資を受けるときは、使い途があるはずです。

あるいは、以前借り入れていた長期借入金の返済が終わったため、再度同じ条件で借入するかもしれません。

また、現預金が溜まってくると、期間の途中で一括返済しようか、迷う時もあります。

1000万円融資を受けていて、返済が進み残り300万円、まだ1年半返済が残っているけど、金利がもったいないし、返してしまおうか、というケースです。

=== 銀行員は、長期借入金の中途返済を嫌がる ===

銀行員は、こうした中途返済を嫌がります。

民間銀行の場合は、取引先から中途返済の申し出があった場合、まず他銀行からの「肩代わり」を疑います。

「社長は、他の銀行から低い金利で融資を受けて、当銀行の融資を返済するのではないか?」というように。

例えそうではなく、純粋に預金からの返済だとしても、銀行員はあまり嬉しくありません。

経営者は、「早く返済することで、銀行も貸したお金が返ってきて、安心できるからいいでしょ!」と思いますが、銀行員は残念な気持ちになるのです。

=== 中途一括返済による企業側の不都合 ===

会社側から見て気を付けておきたいのは、中途一括返済により、資金繰りが狂う可能性があるというこです。

定期預金など、長年塩漬けにしていた固定性資金での返済なら資金繰り面で大きく影響はありませんが、普通預金や当座預金など流動性の預金を返済原資にする場合は、注意が必要です。

長期借入金が設備資金の場合、長期にわたって投資額を回収するという予定で、長期借入金にしていたはずです。

中途返済は、投資回収期間が当初予定より早まったことを意味するので、本当にそれだけ設備投資回収が進んでいるのか、正確な判断が求められます。判断基準は、目先の現預金残高だけではないのです。

=== 途中で長期借入金を巻き替える ===

あと、純粋な中途返済ではありませんが、「長期借入金を途中で巻き替える」ことがあります。

銀行からの提案だったり、会社側からの要望だったりします。

先ほどのケースでいえば、1000万円を5年返済で借りていて、3年半で300万円まで残高が減りました。

もう一度1000万円を同じ返済期間5年で借りて、300万円を返済すると、使えるお金は700万円(1000万円口座に入り、300万円銀行に返済するので)、返済額は今までと同じという、資金が欲しい時には、理想的な状況が生まれます。

このケースのメリットとデメリットをお話しします。

=== 長期借入金、巻き替えのメリット・デメリット ===

メリットは、返済負担が増えることなく、使える資金が確保できることです。

デメリットは、返済期間が延びる(本来ならあと1年半で終わった借入をまた5年かけて支払う)ことと、それによる支払利息負担の増加です。

加えて、借入を新たな借り入れで混ぜることにより、当初の資金使途・投資効果・回収期間が、”うやむやに”なることです。後で振り返ったとき、「この借入金はどの設備投資に対してだったかな?」と分からなくなります。

=== 会社の希望通り、長期借入金を巻き替えてくれるとは限らない ===

そして気をつけないといけないのは、銀行は「会社の希望通り長期借入金を巻き替えてくれるとは限らない」、ということです。

例えば、運転資金と設備資金、プロパー融資と保証付き融資、A銀行借入金とB銀行借入金、のように種類や調達銀行が違うと、なかなか借入金をまとめることになりません。

「複数の長期借入金を1本にまとめてくれると、助かるのに!」と、企業が主張してもです。

仮に、こうした状況に会社が置かれた際、タイミングよく他の銀行から、借入金1本化(もしくは借入本数の削減)の提案があると、取引銀行を変更することもあるかもしれません。

=== 財務問題を解消するには、まず本業の利益体制を整える ===

都会では、他の銀行がリスケなどの要管理債権を返済可能な形に巻き替えて、正常債権化する動きもあるようです。しかしながら、愛媛県ではそうした動きはまだ確認できません。

今後本格化するかもしれませんが、その時に大切なのは、「会社を利益体質にして、借入金の返済体系など財務面を改善すれば、事業継続可能な状態にしておくこと」です。

本業利益も厳しい、財務面も厳しいでは、巻き替え対応も難しいでしょうからね。

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