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信用組合の差別化戦略

先日、金融関係の雑誌を読んでいると、広島市信用組合の理事長インタビューがでていました。

広島市信用組合は、金融業界が厳しい現状にあって、毎年業務純利益を伸ばしています。業務純利益とは、企業で言えば「営業利益」のようなもので、本業の儲けをあらわす指標です。金融機関では、この指標を重視しています。

記事を読んでいると、他の金融機関と違った取り組みをしていました。

金融機関は、都銀⇒地銀⇒第2地銀⇒信用金庫⇒信用組合の順で規模が小さくなり、そのため一般的に信用組合は、最も事業基盤が弱いと言われています。

広島市信用組合は、その事業基盤の弱さ、経営資源の少なさを逆手にとり、選択と集中により、業務内容を特化しているのです。

①金融機関の本業である預金と融資に業務を特化(特に融資業務に注力)し、投資信託や保険などの預かり資産は販売しない

②融資判断を3日以内に出す

③不良債権をスピーディに処理する

以上3点の取組を徹底することで、最前線の営業店の職員が、仕事をやりやすいようにしているそうです。①をしないことで、職員の負担は減り、顧客にも損をさせることがありません。②を徹底することで、職員が融資トラブルに巻き込まれる可能性は減少します(融資の可否の返事が遅くなると、顧客とのトラブルになる可能性が増加します)。③を徹底することで、不良債権管理の複雑な業務から解放され、前向きな資金需要に目が行くようになります。

上記のような取り組みで、広島市信用組合は、近い将来業務純利益100億円を狙っていくそうです(現在は74億円)。地域にこうして違った取り組みをする金融機関があれば、顧客も心強いでしょう。

 

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