高知県に「ひろめ市場」という屋台村があります。地域に浸透しており、屋台村の成功事例です。平日の昼間でもお客さんで一杯です。
一方、香川県高松市に「いろは市場」という屋台村があります。オープンして1年ですが、大苦戦しています。いろは市場は、ひろめ市場を成功に導いた仕掛け人が、ひろめ市場を参考に企画して、2匹目のどじょうを狙って開店させました。
商圏人口も同程度、規模、立地(双方商店街)も類似している。プロデュースも同じ人物。では何が両者の成否を分けているのでしょうか。
高知にあって、高松にないもの。それは屋台になじんだ地元の気質。言い換えれば、日中から屋台を囲んで酒を飲むという食文化。そして、「カツオ」という目玉商品。高松にはこの食文化がなく、またカツオほどの強力な目玉商品もなかった。結果論ですが、この2点を見落としていました。
飲食をしていると、他店の成功を模倣したはずなのに、うまくいかない。その背景には、決してまねできない成功店の強みが隠されているのではないでしょうか。その一例を見た気がします。